間違いだらけのネットワーク作り(236) 2002/07/06
「電話番号は誰のもの?」

昨日は夏冬、年2回引き受けている雇用・能力開発機構高度ポリテクセンター(幕張)での講義をしました。 厚生労働省の外郭団体で高度な職業研修を行うのが目的の施設です。 98年以来、はや5年目になります。 テキストは拙著「企業内データ・音声網の構築技法」、新しいテーマは別資料でフォローしています。 AM9時30分からPM4時30分まで。 途中休憩するものの、実質6時間話すのでいい運動になります。 受講に来ている方のレベルはいろいろですが、SIPを開発する企業の方やTDM音声をVoIPに移行する検討をしている方がいて結構楽しく話せました。

6時間も話すと、やったなというちょっとした満足感があり、ノドも乾きます。 おりから幕張はインターロップの最終日。 駅周辺の店はどこも一杯だったので新浦安まで帰り、有隣堂で先週買うと決めていた出久根達郎さんの新著「嘘も隠しも」と、やはりひいきの車谷長吉さんの「銭金(ぜにかね)について」を購入。 駅に隣接するホテルのラウンジでビールを飲みつつ、数10ページを読みました。 ノドもうるおい、本も期待どおりの面白さ。 リラックスできました。

電話番号は誰のもの?

今日の記事はポリテクセンターでの講義の雑談がネタです。 受講生の中にBBフォンを使っている人が2人いました。 うち一人は会社でNTT−MEのWAKWAKも使っているとのこと。 私はどちらも使ってないし、自分のまわりにもいないのでアレコレと教えてもらいました。

BBフォンとWAKWAKを使っている人によると音質は***の方がいいとのこと。 ただ、ADSLを使っているサービスなので環境条件で大きく変わりますから、ここにどっちがいいと書くわけには行きません。 どちらもさほど違和感なく使っているようです。 BBフォンのみ使っている人の話だと、通話中に別の電話からの着信を知らせる音が鳴ると音質がかなり悪くなるとのこと。 

私が面白いと思ったのはBBフォンとWAKWAKの電話番号やIPアドレスの使い方の違い。 BBフォンはNTT東西の電話番号をそのまま使ってダイヤル。 BBフォンはその電話番号がBBフォン加入者だとNTT等の電話網はスキップしてBBフォン内部で接続。 BBフォン加入者でなければゲートウェイを介してキャリア網へ接続。 という流れのようです。 IPアドレスは通常のダイヤルアップ同様、アクセスの都度アサイン。

WAKWAKはNTT東西の電話番号とは別にWAKWAKの内線番号(6桁?)を付与。 この番号でWAKWAKどうしは通話できます。 もちろん、NTT東西の番号を使ってWAKWAKどうし、WAKWAK外部への発信も可能。 IPアドレスは固定割り当て。

お二人の話を聞いて疑問に思ったのは電話番号は誰の資産なんだろう、ということです。 BBフォンはNTT東西が加入者に割り当てた電話番号を使っているのですが、電話番号を使われるNTT東西はBBフォンどうしだと通話料収入はゼロですし、発信側だけBBフォンでも収入は減ります。 NTT東西が付与した電話番号はNTTの費用で電話帳に記載され、有料とはいえ番号案内サービスも受けられる。 その意味で電話番号というのはNTT東西の資産じゃないのか? BBフォンはそれを使ってNTT東西の通話料を減らしている。 何だか、NTT東西、気の毒すぎないか? WAKWAKは独自の番号体系を付与しており、その分けじめをつけていると言えるでしょう。

この辺の制度を知っているわけではないので、BBフォンは相応の対価をNTTに支払っているのかも知れません。 それならゴメンというだけ。

秋から総務省が050で始まるIP電話番号の割り当てを始めます。 この割り当てを受けるには遅延時間が400ミリ秒以内とか、R値がいくら、という条件を満たさねばならないことは以前の記事で取り上げました。 さらに、050でなく、固定電話と同様の0AB・・・という番号をIP電話サービスで使うには総務大臣の認可が必要とのこと。 ということはBBフォンがNTT東西の固定電話番号を使えるのは今のうちだけで、050に変えなきゃならなくなる、ということなんでしょうか? そうなれば公平な気がします。

ただ、固定電話にしろ、IP電話サービスや携帯にしろ、電話番号の所有者が誰なのか?という疑問は解けません。 基本料金を払っている利用者のもの? 割り当てるキャリアやサービスプロバイダーのもの? 050を割り当てるお上のもの?  たぶん利用者は利用権を購入しているだけで所有者ではないでしょう。 

IP電話サービスというのは技術面だけでなく、利用者を守り、競争の公平さを保つ制度の整備が重要なようです。
 
 

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