間違いだらけのネットワーク作り(230) 2002/05/25
「広域イーサネットでのマルチキャスト」

先週金曜日は札幌、今週は月曜日と水曜日に大阪へ出張。 おまけに札幌から帰った土曜日は休日出勤で月曜日の資料のレビュー、と先週から今週にかけて動きすぎでツカレました。 動いている合間に研究会のコアメンバーで集まりました。 コアというのは10数年前からのメンバーということで、一部上場企業の役員や中央省庁の課長、雑誌編集長と、けっこうエラクなっています。 しかし、皆さんまだ技術に熱くてVPNがどうだとか、アウトソーシングの概念がアメリカでは大きく変わったとか、ソフトウェアの生産性を上げるにはどうすればいいか、とか夜7時から11時までワイワイと話しました。 今度は7月に京都で集まる予定です。 そう、また京都です。 私の好みなので仕方ありません。 賀茂川の床、3年ぶりに楽しみたいと思います。

広域イーサネットでのマルチキャスト

先週の記事の最後に、電話の保留音を広域イーサネット上のマルチキャストでたれ流す粗雑なVoIPシステムのことを書いたら、会員のHさんから面白いメールが来たので紹介します。 固有名詞や公開するに適さない部分は削除しました。

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松田様

○○のHです。 ご無沙汰しております。
今週の松田さんのページで興味の引く箇所がありました。 広域イーサネットでマルチキャストというところです。
実はこれで、単純な話ですが大失敗したことがあります。 イーサネットでは、IPマルチキャストはMACブロードキャスト
と同じように扱われるということ、およびVLANを使ったときにVLANタグはMACアドレスの後にあることを頭で理解していた
ものの、実際に使ってみると大変なことになりました。

東京、大阪、名古屋に拠点を構えています。 東京のオリジンサーバから、名古屋、大阪のミラーサーバへ
マルチキャストでコンテンツ配信をします。 この3拠点はVLANでグループ化されています。

東京から名古屋、大阪向けに約10Mbps程度でマルチキャストを使ってコンテンツのアップデートをかけたのですが、このマルチキャスト
は、キャリアのネットワークの中で46倍に増幅され、各県まで配信されていまったのでした。 この10Mbpsのトラフィックは、
VLANを切っている各県に置かれたユーザスイッチまで届けられ、そこで該当タグがないので破棄されることと相成ります。

しかし、10Mbps程度のトラフィックでも、キャリアのスイッチの中でイーサフレームコピーが46個も作られるとなると、さすがにその
バックボーンも輻輳したようです。 案外、広域イーサネットもマルチキャストには弱いものだなと思ったものでした。

教訓;大容量のIPマルチキャストを広域イーサネットで運ぶ場合には、
キャリア側でVLANを切ってもらわなければならない。
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*タグVLANを使っている広域イーサネットではユーザの識別はvMANタグで行われ、ユーザは通常のタグを使って自由にVLANを切ることが出来ます。 しかし、網側のスイッチはvMANタグは見ますが、その内側のユーザタグは見ないので、ユーザタグで定義したVLANだけにマルチキャストを飛ばす、というのは出来ない、ということをHさんは言っているようです。

*これを解消するには一つの企業のネットワークでも、キャリアにvMANを複数に分けてもらわねばならない。 ポートVLANを使っているCWCだとグループを分割せねばならない。

*階層的に上から下へマルチキャストを流すことを考えると、工夫がいりそうですね。

*それにしても記事を読んで頂いて、こんな面白い情報をもらうとうれしくなります。
 

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