間違いだらけのネットワーク作り(228) 2002/05/11
「無線LANのにぎやかさ」

先週書いていた原稿は1本が完成し、4連休中のノルマは果たせたかな、という感じです。 2万字を超えているので大作と言えるでしょう。 図が20枚以上。 雑誌原稿なので来月には皆さんの眼にふれることになります。 どんな反応があるか楽しみです。 それにしても、講演として話せば1時間30分程度の内容なのに、書くというのは大変です。 やれやれ。 そして、この週末は3000字程度のを1本書きます。 タイトルは「間違いだらけのネットワーク作り」そのままで良い、という依頼だったので、それなら簡単、と引き受けました。 毎週書いているこの記事が3000字を軽く超えていることが多いので、この程度のボリュームだとまったく気にならないのです。 原稿書きは骨は折れますが、書いているときは雑念が消えるのである面、ストレス解消にもなります。 難しい仕事をかかえている時に、原稿書きはかっこうの気分転換になります。

無線LANのにぎやかさ

無線LANの話題が多いですね。 今週のニュースではソフトバンクがマクドナルド店内のホットスポットでVoIPも使えるようにする、というのがありました。 2000年頃から標準化が進められているQoSとセキュリティに関する拡張を行なう規格IEEE802.11eはまだ規格にはなっていないようですが、すでにこれをもとにしたプロトコルが米シェアウェイブ(ShareWave)で開発されているそうです。

「Whitecap」と呼ばれるこのプロトコルは、媒体アクセス制御(MAC)にDynamic TDMA(Time Division Multiple Access)方式を使っているそうです。 IEEE802.11bにおけるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が「早い者勝ち」で送信権を与えるためアプリケーションが使える帯域幅が一定しないのに対し、TDMAは時間ごとに分割して送信権を与えるためアプリケーションに対して帯域保証ができるのが特徴。 そのため音声や映像などのリアルタイム性が重視される通信に適しているとのこと。 さらにDynamic TDMAは、どの時間に帯域を割り当てるかを「動的に」更新し、データの種類ごとに優先度を設けて、その時間は確実にデータが流せることで効率的な通信帯域を確保できる方式。

現在企業ネットワークへの無線LAN導入の最大の障害はセキュリティの甘さ。 これが根本的に解決され、おまけにQoSも大丈夫となればかなり普及するか、というとそう甘いものでもなさそうで、コスト的には有線LANも機器が急激に安価になっているため「有線LAN vs 無線LAN」のコスト勝負は簡単に決着しないんじゃないか、と思っています。 複雑なことをして無線にセキュリティを持たせるより、そもそも電波が社外に漏れたりしない有線の方がコストさえ同等以下なら、いいに決まっています。

それにしてもTDMA、ですか。 LANの世界では10数年前に一部のメーカーがリング状の高速LANで流行らせようとして失敗したものです。 私はある銀行の本店LANとして構築したことがあります。 はるか昔の89年。 技術というのも「歴史は繰り返す」ということなのでしょうか?

IPの世界も、無線も簡単で速い、ということを追求してきたけど、QoSを持たせようとすると結局ATMやTDMAという昔の技術にお世話にならなきゃいけないのか、そんな気がします。 ただ、先々週のMDNの記事で述べたように、内部の仕組みは複雑にしていいけど、ユーザ・インタフェースはシンプルにして欲しいものです。
 
 

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