間違いだらけのネットワーク作り(226) 2002/04/27
「京都研究会模様−MDN」

先週土曜日の京都研究会はめずらしいことに一人のキャンセルもなく、申し込まれた32名全員が参加。 うち、東京から12名、広島1名、岐阜1名、名古屋1名。 あとは京都・大阪の方です。 遠くから高い交通費を使って参加される熱心な方が多いのはうれしいかぎりです。 1時30分から5時までの3時間半を研究会としていたのですが、そのうち3時間近くをメガデータネッツ(MDN)の講演で使いました。 さらに言えば、そのうち半分近くはMDNで使っているATMの説明でした。 講師はNTTの方。

ATMとフレームリレーの違いとか、AALやサービスカテゴリーの説明を聞いていると、10年近く前にタイムスリップしたような気がしました。 93、94年頃はATMが熱く、こんなことを勉強したな、となつかしく聞きました。 しかし、今は2002年。 なんか、MDN、おかしいんじゃない? 根本が、と思いました。 終了後の懇親会でいつものように、お一人ずつ自己紹介と感想を述べてもらいました。 その中でYさんが言った言葉が印象的です。 「MDNの話は難しくて分からない」  これはMDNを使いこなすために必要なシェ−ピング、GFR、mCR、といった概念や、ルータのシェ−ピング精度によってインタフェースに収容できるVC数が変わる、といった設計上の留意点をエンドユーザが理解するのは大変、ということです。 ちなみに、Yさんの会社は大規模な自営ATMネットワークを持っており、普通のユーザと比べたらATMに詳しいのです。 ただ、ATMメガリンクがシンプルで使いやすいのに対し、MDNがあまりに複雑だ、ということでしょう。

広域イーサネットにしろ、IP−VPNにしろ、面倒なPVCの設定などが不要で簡単に使える企業向けのブロードバンド、というのを目指してキャリアはユーザに対し、フレームリレーやATMからの移行を奨めてきたのではなかったでしょうか? そこへMDN。  キャリアの網内でATMを使う分にはユーザに影響ありませんが、今さらUNI(ユーザ網インタフェース)に複雑なATMを使うのは時代に逆行しているように思います。

閑話休題。 研究会終了後の懇親会は大日本スクリーンさんの研修センタで1次会をしたあと、御所近くのしゃれた居酒屋で2次会。 結局11時までわいわいと話していました。 地元京都のNTTの若手社員が元気よく、頼もしく感じました。 その中の一人、Fさんがぽろっとささやいた言葉。 「ここに来ると、やらなあかんなあと言う気になるなあ。」
 

「京都研究会模様−MDN」

MDNの講演内容はスライド枚数が80枚を超えており、とてもこの記事に要約する気になりません。

●一部速度保証タイプに保証帯域以上の平均速度を期待しないこと
 こう書くと一部速度保証タイプの存在価値がないように聞こえますが、私はそのとおりじゃないかと思います。
分かりやすい説明だと思ったのは「速度保証タイプ1Mと、一部速度保証タイプの最高速度2M/保証速度1Mの料金は前者が35800円、後者が37000円で、差は1200円しかない。 1200円余分に払えば、いつでも2M近くまで使えると期待するのは虫が良すぎる。」

一部速度保証は瞬間的に保証速度を超えることがあっても、平均速度はしっかり保証速度だ、と割り切って使った方がいい、ということでしょう。

●1本の回線に多数のVCを束ねるときはルータのシェ−ピング精度や処理能力に注意
ルータにはVCシェ−ピングか、VPシェ−ピングのどちらかしか出来ないもの、VP/VC同時シェ−ピング可能なものがあり、さらにシェ−ピングの精度にも差があります。 センタ拠点のように多数のVCを多重する場合はルータによって多重できるVC数に差があるので要注意です。
 

MDNはかなりクレームもあるようで、それはトラブルというより、ユーザが一部速度保証に過度な期待をすることから来ているようです。 たとえば、ISPが10%保証のタイプを使っていて、速度が出ない出ないという。  平均速度が保証速度程度であっても、それは当然なのです。 MDNは速度保証タイプだけ使おう、というのが私の結論です。 
 
 

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