間違いだらけのネットワーク作り(215) 2002/02/09
「NET&COM2002@」

この木曜日、NET&COMで「広域イーサネットvsIP−VPN−脱・常識が生む最新ネット構築術」という講演をしました。 3年連続3回目の講演で、今回は200人を超える方に来ていただきました。 今週から2回に分けて講演のポイントをご紹介します。

講演の最後に質問をいくつか頂きましたが、それがけっこう面白いものでした。 最初に質問したのは沖電気の方。 「フュージョン・コミュニケーションズやユーザさんをよく見学しているのに感心するが、どうして見学できるのか?」 答えは「同じネットワークの仕事をしている人たちなので、教えてくださいとお願いすれば99%断られることはありません。 試してください。」

某商社の方は「ネットワークが企業にとって重要なものになっているのに、企業にネットワーク技術者はほとんどいない。 企業のネットワーク管理者は何が出来ればいいか?」 答え「企業ユーザが技術の詳細を知る必要はありません。 技術の意味、それが企業にとってどんなメリットがあるのか理解できることが重要です。」

実際の答えはもっと尾ひれがついていますが、簡単に書けばこんな感じです。 ほかにも内線電話を電話VPNにしようと思うがどうか?とか、広域イーサネットのバックアップに他の通信事業者の広域イーサを使うのはどうか?といった質問を頂きました。 皆さん、私に技術的な質問をしてもしょうがない、ということをよくご理解されているようで、すべて文学的に答えさせていただきました。 講演要旨は日経BizTechにも掲載されていますのでご覧ください。
 
 

NET&COM2002@

  

例のごとく文学的話から始めた講演。 出だしは「ネットワーク設計者に必要な技術とは−脱・常識の意味」。
スライドの要点は以下のとおりです。

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○大きな間違いに気づく技術
小さな間違いは誰でも気がつく。 システムやネットワークが動かないからだ。
間違いは大きいほど気づきにくい。 たとえば次の命題は正しいのだろうか?
・企業は経済効果のためにVoIPを導入すべきだ。
・IP−VPNでOSPFやRIPが使えないのは当然だ。
・大規模な企業ネットワークにルータは不可欠だ。

○簡単なアイデアを思いつく技術
難しい技術がお客様に直接的に大きな利益をもたらすことは少ない。
お客様に大きな利益をもたらすのは聞けば誰でも分かる、簡単なアイデアであることが多い。

(EX)サーバレス・ネットワーク、ルータレス・ネットワーク

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ネットワーク技術者にかぎらず、人間、先入観というのにとらわれやすいものです。 立派なベンダーが言うことだから、皆が言っていることだから、と知らず知らず頭を先入観に支配されてしまう。

ブランドや多数意見にとらわれないためには頭をリセットできることが大切。 ちなみにVoIPに関する命題はほとんどのケースで間違い、IP-VPN、ルータに関する命題は100%間違いです。

ネットワークをブローバンド化してサーバを集約するサーバレス・ネットワーク。 広域イーサネットを使ったルータレス・ネットワーク。 別に技術的に難しいことではありませんが、早く気づいて実行することに価値があります。  E-Businessで成功している企業も、簡単で有効なビジネスモデルを早く立ち上げたYahooやeBayです。

簡単なアイデアを思いつくために大事なことは、特定の技術や製品に縛られないことではないでしょうか? ルータにやたら詳しい人にルータレス・ネットワークを発想することは難しいでしょう。

 
 

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