間違いだらけのネットワーク作り(205) 2001/11/24
記事評「サーベイ&チョイスIP−VPN」

昨日の勤労感謝の日、しっかり勤労しました。 祝日が休みではないお客様との定例会議があったためです。 帰りに八重洲ブックセンターへ立ち寄り。 いつものごとく、3Fのコンピュータ、ネットワーク書籍の売り場をながめ、1Fの文芸書売り場へというコースです。 ネットワーク関係は入門書の多さが目立ちます。 ネットワーク業界に入って来る人が増えているのか、業界の人ではない人が購入しているのか。 後者でしょうね。 ネットワーク業界は供給過剰、人材もリストラ方向へは向かっても、しばらく増える方向へは行かないでしょう。 しかし、エンドユーザがネットワークのことを知る必要性はどんどん増えている。 結果、入門書に需要があるのではないでしょうか。 そのうち、ネットワーク業界の人より技術的に詳しいエンドユーザがめずらしくなくなるでしょう。 入門書には幅広く、いろんなことが書いてあって面白いものがあります。 私も思わず1冊買ってしまいました。

さて、文芸書フロア。 私はベストセラーにはまったく興味がなく、数少ないひいきの作家が新著を出しているかどうかチェックするだけなので時間はかかりません。 ここのところ、出久根達郎さんが矢継ぎ早に新刊を出しています。 10月に小説と新書と2冊を出していました。 2冊いっぺんに買ったのでは楽しみがなくなるので、文春新書「百貌百言」だけ購入。 20世紀の日本人100人のエピソードと名言を見開き2ページで一人ずつまとめたものです。 面白い。

たとえば「電力の鬼」と言われた松永安左衛門(1875−1971)の言葉。 「銀行は恩人ではあるが、世の中にこのくらい甘い商売や、また張りあいのない人々、馬鹿の集まった巣もあるまい」。 銀行の方が読んだら気分悪いでしょうが、実際こう書いています。 明治以来、国に守られ、破綻状態の現在もつぶれずにいられるのですから「甘い」といわれても仕方ないでしょう。

もうひとつ。 「世の中てえものは、自然自然にうごいてゆくんですから、ウカウカしていると、おいてきぼりを食っちまう。 なんといったって、ふだんの勉強ですよ。 勉強もしないで遊んでいたんじゃ、ぜったいに頭のあがる時なんてきやぁしませんよ」。 古今亭志ん生。 放蕩で知られた志ん生も実は勉強家。

記事評「サーベイ&チョイスIP−VPN」

昨日、移行中だったネットワークがひとつ完成しました。 広域Ethernet+VoIP、約50拠点。  VoIPはおすすめはしなかったのですが、もともとVoFR時代からのお客様で、内線電話の使い勝手をそのまま残したい、ということでVoIPをやったのです。 何の問題もありません。 実は今日も移行工事をやっています。 心配の種はつきないのですが、私が心配しても現実は変わらないので、こうしてのんきにキーボードをたたいているのです。

今週ある新規のお客様と2時間ばかり、プレゼン+会話をしました。 毎月数千万円の回線料金を払い、IP−VPNも広域Ethernetも試しに使っているとのこと。 やはり、次のネットワークは広域Ethernetだ、とのこと。 設計の自由度が高いことが一番気に入っているようです。 実力のあるユーザはそうでしょうね。 10人あまりいるネットワーク担当の方が部長さん以下ほとんど全員出席してプレゼンを聞いてくれたのですが、若い人が多く、その人たちが実に面白そうな顔をして聞いていたので、こちらも楽しく話せました。

その中で話題にしたのが日経コミュニケーション11月19日号の記事「サーベイ&チョイスIP−VPN」です。 「この記事のルーティングプロトコルの制約を見ると、使っているルータの違いが一目瞭然です。 ルータの性能が悪いと計算量の多いOSPFは使えず、性能がいいJ社やH社を使っているキャリアはそんな制約がありません。」という感じ。

この記事、よくぞ調べてくれました、という感じでIP−VPNのことをさっと知るにはいいファクト・データです。 一箇所だけ、強烈にひっかかる文章は、ルーティングプロトコルとしてOSPFやRIPが使えるかどうかについて述べた中のP.154の文章。 「ただし、ルーティング・プロトコルを重視すべきなのは、IPネットワークを構築済み企業。 ルーティングの設定や管理といった面倒な運用はすべて事業者に任せたい、(中略)単にサービス内容の違いで選べばよい。」 

いまどき、IPネットワークを構築済みでない企業なんて、よっぽどの小企業でしょうね。 この文章はこう書くべきです。 「IP−VPNの導入を検討している企業のほとんどはIPネットワークを既に構築している。  これらの企業はルーティング・プロトコルを重視すべきであり、現在使っているRIPやOSPFが使えるかどうかはIP−VPNを選択する重要な基準である。 また、IP−VPNか、広域Ethernetかを選択する重要な基準でもある。 広域Ethernetはルーティング・プロトコルの制約がまったくないからだ。」


 
 
 

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