間違いだらけのネットワーク作り(199) 2001/10/13
記事評「コスト・ミニマムに作るVoIP」

この「間違いだらけ」も今週が199号。 来週がいよいよ200号、情報化研究会大会となります。 参加者はこれまでの研究会ではもっとも多くなりそうです。 昨日、講師の一人であるNTTPCの波多さんからプレゼン資料が届きました。 テーマは「IP version 6」、45枚の大作です。 技術的な話題ばかりじゃないのが面白いところ。 ちょっと予告編ということで、スライドの表題をいくつか紹介しましょう。

「IPv6の誤解−−ブロードバンド対応、優れたQoS機能、インストールすればそのまま使える・・・」 
「がんばっている人たち」
「なぜにがんばれるのか?」
「どうやって使うのか?」
「近未来−−冬に向かってWinXP、Playstation2、InternetWeek2001in Yokohama>>この意味は何なのだろう?」
「遠未来−−脱情報化社会、万人にインターネットを!、情報化完了、情報化研究会解散?」

どうです? 文学的で面白そうでしょう?
CSK有賀副社長のプレゼン資料は20数枚、文字主体。 内容は乞うご期待です。
私は、というとテーマは「次世代ネットワークの活用と今後の展望」という、つまらなそうなものです。 が、実体は「さわやかルータレス・ネットワークのすすめ」とも言うべきものになるでしょう。

申し込みは10月18日まで受け付けています。 なお、これから申し込まれる方はFAXでの申し込みをおすすめします。 事務局のメールシステムの不具合が結構あるようなので。 申し込み後、電話で確認するのが確実です。 会員専用ページには参加者名簿がUPされ毎日更新されていますので、会員の方は受け付けの確認はこの名簿でしてください。

記事評「コスト・ミニマムに作るVoIP電話網」(日経コミュニケーション10月15日号)

日経コミュニケ−ションの方が先日VoIPの取材に来られた時の私の第一声、「まだVoIPの特集やるんですか? マイライン以降、VoIPは積極的にすすめていませんよ。」と、出鼻をくじく話から入りました。 1時間弱、いろいろ話をしましたが、記事に取り上げられた私のコメントは次の2つだけ。

「128Kビット/秒の回線でも、回線使用率に余裕を持たせたり、さまざまな工夫を凝らせばVoIPは無理ではない。 電話VPNサービスが値下がりした今、そこまでしてVoIP統合にこだわる意味があるのか」

「優先制御や帯域制御などに頼りすぎるとかえってコストがかかる。 最も賢いVoIPの品質確保対策は適切な回線速度を選択すること」

部分的コメントの引用は、ニュアンスを大きく変えますね。 これでは低速回線では苦労してまでVoIPによる統合にこだわらなくていい、というニュアンスですが、私のOpinionは最初の一声に集約されています。 「回線速度もなにも関係なく、電話VPNなのか、ふつうの電話なのかも関係なく、VoIPの経済効果は出ないことの方が多いのだから、データ・音声統合にこだわる必要はない」

わずか12拠点のVoIP事例しかないのも、さみしいですね。 構成もさわやかじゃないし。 大規模ではなばなしい事例があれば、VoIPももっと盛り上がるのでしょうが。 

今、VoIP案件として多いのはVoATMやVoFRで内線化していたユーザが、内線電話の使い勝手の良さをそのまま新しいネットワークでも残したい、というものです。 経済効果云々ではありません。 で、このような場合、さわやかルータレスネットワークにVoIP−GWを組み合わせて実現しています。

VoIPをやろうとすると確かに低速回線での優先制御やらフラグメントやらが音質向上にはいいのですが、128K回線でなんにもしなくても音声2チャネル程度なら平気、ということも条件によってはあります。 

VoIPでは不可欠とも言える優先制御。 この記事によると、ルータで優先制御をやるとシスコの場合「簡易な優先制御であるWFQでも処理能力は約3分の2に落ちる。 最優先パケットの帯域確保もできるLLQを併せて使うと性能は約半分。 帯域制限をするGTSを使うと約3分の1」になるとのこと。 もっと落ちるという話も聞きますが真実はどうなんでしょう? さわやかルータレスネットワークでは優先制御をハードウェアで行うL3SWを使うので、処理能力の心配は不要です。

私が面白く感じたのはこの記事そのものでなく、担当された編集の方が「編集室から」(p.205)に書いていること。 「印象に残ったのは、1ヵ所の障害で、全社の通話中の内線電話が一斉に切れた、という体験談。 ただ、意外なことに苦情は1件もなく、みんな黙って電話を掛け直したらしいとのこと。 エンドユーザは、システム部門が心配するほど電話の品質を気にしていないのかも、とも思いました。」 VoIPを実際やっている方、このコメントをどう思いますか?

私は思いました。 導入時にさんざんクレームを言ったので、エンドユーザもあきらめてるんじゃないか、と。  一斉に電話が切れた時、システム部門の人は「またクレームが来る」と身構えたのに、意外や来なかった。 ビクビクしていてホッとした様子が眼にうかびます。 エンドユーザが電話の品質を気にしないことなどありえません。 お粗末なVoIPに慣らされているのだとしたら、気の毒なこと。

フュージョンコミュニケーションの加入者が70万を超えたとのニュースが先週ありました。 VoIPは各企業が無理して導入しなくても、キャリアが品質の高いVoIPを提供できるなら、会社全体で長距離のマイラインをフュージョンにしてしまえば、社内通話も社外との通話も安くなる一番いい方法ではないでしょうか?
 
 

ホームページへ