間違いだらけのネットワーク作り(191) 2001/08/18
記事評「急成長する米国MANサービス」(日経コミュニケーション8.20)

先週末は墓参りのため愛媛に帰省。 月曜日に帰ってきたのですが、松山で飛行機に乗る前の2時間を利用して1年ぶりに道後温泉に行きました。 道後温泉本館、明治27年、漱石が松山に来る前年に建てられたものです。 100年以上前の建物ですから決してきれいではないのですが、この古さが落ち着いた気分にしてくれます。 料金はいくつかのランクがあって、一番高いのは霊(たま)の湯3階の個室。 浴衣、タオル、茶菓がついて1240円ですから、高いといっても知れています。 漱石が使ったという部屋は坊ちゃんの間として展示室になっています。 二番目は霊の湯2階の座敷。 やはり浴衣、タオル、茶菓があり940円。  おすすめは神の湯の座敷。 浴衣とタオル付。 霊の湯より安いのですが、座敷が広いため何時行ってもゆったりスペースが確保できます。 浴場も霊の湯の3倍はあるでしょうか。

私は去年神の湯につかったので、今年は久しぶりに霊の湯の2階にしました。 座敷で浴衣に着替えて、1階の浴場へ。 あいかわらず狭くて、うすぐらいなあ、と思いつつ湯の中で体を伸ばすと、6年前に研究会のメンバーたちと一緒につかったときのことなどフト思い出しました。 湯からあがって座敷に戻るとあついお茶とお菓子が出ます。 クーラーもなく、開けっ放しの座敷からは温泉街を歩く家族連れがたくさん見えました。 天井にはこれも年代ものの白くて大きな扇風機がゆっくり回っており、眠気をさそいます。 土産に本館が描かれた渋ウチワを1本買って空港へ。 やはり、道後はいいところです。

記事評「急成長する米国MANサービス」(日経コミュニケーション8.20)

掲示板は広域LANの話題で盛り上がっていますね。 皆さん技術的に詳しくてネットワーク話術者の私としては、こりゃあ勉強しないと大変だ、というのが正直なところです。 前回の記事で”広域LANサービスが「破綻」するとは思えません。”と書きましたが、これは技術論で言っているというより、経済論に近いと理解してください。 

”広域Ethernetの「安い、速い、簡単」というユーザから見た大きなメリットがなくならないかぎり、「ユーザ・ニーズ」という強い力でキャリア網内部の仕組みはどんどん改善されるのではないでしょうか?”

というのが私の言いたいことです。 もう一つの根拠は私自身が手がけているネットワークも含めて、現実は100拠点を超える全国規模のネットワークがどんどん作られているということがあります。 現在の広域LANサービスでも信頼性を保つ設計は出来ると思います。 次の段階として1000拠点規模のネットワークを検討しています。 こうなってくると、広域LANのいろんな限界も顕在化してくると思います。 顕在化すれば改善を要望していきます。 これが「需要が供給を生む」という経済原則だと思います。 私は多くの需要のごくごく一部しか担えませんが、私と同じような考えの方は増えているのではないでしょうか?

さて、しばらく日経コミュニケーションをまじめに読んでないな、ここに取り上げるような記事がないかな、と8月6日号を見ていると20日号が届きました。 6日号では”IP−VPNの基盤「MPLS」”が目をひきました。 MPLSの解説もさることながら、NTTコミュニケーションズがIP−VPN、OCNのバックボーンとしてJuniperを採用し、既に全国20ヶ所のネットワーク/センタに導入済みというのが、事実は既に知っていても日経コミュニケーションが書いたということが、ある意味新鮮でした。 

IP−VPNはNTTコム、JT、KDDIはともにソフトウェア・ディペンドのルータを使っていましたが、これでその一角がハードウェア・ディペンドのものに変わり始めた、というのは大きな変化だと思います。 問題は最大のネックでるPE(プロバイダー・エッジ・ルータ)がいつ変わるのか。 PEが変わればサービス内容が格段に違ってくるでしょう。 すでにJuniperや日立のGR2000を使って第二世代のIP−VPNをサービスしているフュージョンやパワーネッツの伸びがどうなるかにも興味があります。

MPLSが広域LANのバックボーンでEoMPLSとして使われる、というのは目新しいニュースではなく、このシリーズでも(187)「IP−VPN vs 広域LANラウンド3(その1)」001/07/14で取り上げたとおりです。 なにせ、広域Ethernetのマーケット・リーダーとも言えるExtreme自体がEoMPLSだと言っているのですから、バックボーンではそれが主流になるかも知れません。 いずれにしろ、ユーザから見たときの広域Ethernetのメリット「安い、速い、簡単」が変わらなければ、内部の仕組みが何であれ、それは「広域LAN」だと思います。

20日号の「NYなど都市で急成長するMAN」はこのページでも紹介したYipes(ヤイプス)をはじめ、米国で伸びているMANのトレンドがよくまとまっています。 特に興味をひくのはプロビジョニング。 帯域幅をユーザがオンデマンドで変えられるというサービスです。 日本でも同様のサービスが始まるのは時間の問題ではないでしょうか。 技術動向についてはMPLSに加えて Resilient Packet Ring (RPR)にまで言及しているのには感心しました。

広域Ethernetも第二世代に向かっていると言えるでしょう。 さて、IP−VPNと広域LAN、あたらしい世代でどちらが勢力を伸ばすでしょう?

閑話休題。 8月6日号のコラム、ネットワーク・マネージャーに聞く、をフト見ると、東京海上が全国300箇所の営業所をIP−VPNで収容したとのこと。 ちょっと理解できないのが政令指定都市など主要10拠点はATM専用線で結び、その配下の営業所をIP−VPNで接続していること。 なんで、全拠点IP−VPNにしない(出来ない?)のでしょう?

「距離に依存しない料金」で「Any to Anyの通信ができる」IP−VPNをATMのバックボーンのアクセスに使う理由がまるで分かりません。 組織変更に伴うネットワークの設定変更が不要になった、と書いていますが、主要拠点間がATMであるかぎり、PVCの管理や変更は不可避なはずです。 

東京海上のネットワーク構成がこのような形態にならざるを得ない、技術的あるいは利用上の理由を是非、日経コミュニケーションには明確にして貰いたいものです。 ここに書いてあることだけ読むと「変」です。
 

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