間違いだらけのネットワーク作り(188) 2001/07/21
「IP−VPN vs 広域LAN ラウンド3(その2)」

掲示板にモトローラがマルチサービス市場から撤退するという書き込みがありました。 撤退するのはアジア市場からで欧米は夏頃までに判断、という書き込みもありました。 正確なところが分かりませんが、データ・音声統合が流行っているのは日本なのですから、日本で止めるということは世界で止めるということなのではないか? と思います。

97年に「間違いだらけ」を書き始めた時、モトローラの批判記事をよく書きました。 処理能力の乏しいFRADで拠点数の多いVoFRを提案している代理店をよく見かけたので、小さなFRADをいくつ集めても大規模ネットワークには適用できない、という意味で「1+1+1=2」の設計、といったことを書いたことをなつかしく思い出します。 その後、OEMで大型のFR交換機を持ってきたりして大規模対応をすすめ、昨年はIP−VPN対応製品をアピールしていました。 

売れなくなったから撤退するのでしょうが、何故売れなくなったのか? キャリアがFRを売っていた時代はキャリアにかついで貰ってたくさん売れたけど、広域LANやIP−VPNの時代に変わってキャリアがモトローラを売らなくなったのではないか? と想像します。 キャリアが見捨てたということではなく、モトローラの製品が他社製品と比較して広域LANやIP−VPNで優位でないという合理的理由があってのことだと思います。

今週、たまたま某研究会で会ったユーザ企業はわずか数拠点で使っている低速のFRをIP−VPNにするようキャリアから提案を受けていると言っていました。 私は無理無理に(=合理的な理由がユーザ側になくても)FRからIP−VPNへの移行を進めているように見えるキャリアのやり方には感心しません。 が、モトローラの撤退はFRの退潮を象徴しているように思います。 無理やり作りだされた退潮の。

フレームリレーで大敗したキャリアがIP−VPNで巻き返しを図り、フレームリレーで大勝したキャリアも追随してIP−VPNへの移行を進める。 これが「無理やり作り出された」という意味です。 アメリカではまだまだフレームリレーは主流派です。 

フレームリレーでは簡単だった帯域保証もなく、ルーティング・プロトコルも制限されるIP−VPN。 ユーザは流行だからと安易に導入せず、本当にIP−VPNのメリットがあるのか検討する必要があります。 もちろん、広域LANとの比較検討も忘れてはいけません。

IP−VPN vs 広域LAN ラウンド3(その2)

今週はExtremeNetworks山中さんの講演のポイントを紹介します。 ただ、思い切りはしょります。 木曜日は提案書作成やら見積で帰りが夜中の1時半、昨日の「海の日」は祝祭日が休業ではないお客様との打ち合わせのため出社、ということで今日は元気ありません。

Ethernet Tide is Rising Elsewhere

ExtremeはEthernet Everywhereを標榜しており、Ethernetを使ったキャリア網のブロードバンド化、低価格化をすすめています。 日本でも多くのキャリアがExtremeを採用し広域LANサービスを始めています。 Ethernetのメリットをキャッチフレーズ的にいうと「速い、安い、簡単」。

ただ、山中さんの話の中で印象に残ったのは単にEthernetが広く使われているからそれを中心に考えているのでなく、Ethernetは他の通信技術の優れたところを取り込んで進歩しているのがExtremeがEthernet Everywhereを推し進める理由だということ。 たとえば、FDDIに替わる100MのSwitched Ethernet、ATM等の持つQoS、ルータの持つL3機能、SONETの持つTraffic Management。 

製品としての特徴は徹底して機能をASIC(特定用途向けIC)、つまりハードで実現することだと感じました。 ちょっとした処理、たとえば優先制御を追加すると能力が極端に落ちるソフトウェア・ディペンドのルータとの大きな違いです。

vMAN

vMANは802.1qタグを2つ使ってVLANの上にvMANを定義し、4096×4096のVLANを可能にする方式。(下図参照) TTNETの広域LANではExtremeのスイッチを採用し、vMANを使っている。 2つのタグのうち、一つはユーザに開放し、ユーザが4096までのVLANを自由に使えるようにしている。 あとの4096はキャリア側でユーザの識別に使う。 ユーザ数が4096を超えたらどうするか? そんなに増えたらたいしたもんです。 そうなったらレイヤ1で分割すればいいでしょう。


 

Yipes

話はいきなり事例へ飛びます。 サンフランシスコ湾をぐるりと囲むエリアでサービスを展開しているキャリア、Yipes(ヤイプス)。 米国で注目を浴び、同様のMANサービスが各地で始まっているそうです。 ここでExtremeのSwitchが活躍しているとのこと。 

Yipesの概要はYipesに語って貰うのが分かり易いですね。 下記はホームページのキャッチ・フレーズです。

LAN-to-LAN and LAN-to-Internet connectivity - up to 1Gbps. Built on a proven IP-over-fiber architecture, our high-speed services bring fiber directly to your office.

Available in one-megabit increments, on demand.

Native Ethernet interface to your office eliminating conversions between IP and telephony protocols.

Quality of Service for business applications

なぜかスライドはRiverStoneさんから提供していただいたものを使わせていただきます。

Yipesはキャリア・サービスの理想像に近いかも知れません。 アメリカで広域LAN(Transparent LAN service)が注目されるわけです。  回線帯域も1Mから1M単位で1Gまで増速できるきめ細かさ。 CWCにも見習って欲しい?

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