間違いだらけのネットワーク作り(185) 2001/06/30
「次世代広域LANの方式」

今週も重要なプレゼンが2回あり、大阪への出張もありであわただしく過ぎてしまいました。 今日で6月もおわり。 First Quarterが終わったわけですが、我ながら運動量だけはスゴイと感心しています。 私は営業と開発の両方のPlaying Managerなのですが、営業について若手につねづね言っているのは、「営業はサッカーと同じ。 先ず運動量が少ないとチャンスはつかめない。」 そういう意味でFirst Quarterは受注もさることながら、チャンス・メイクという点ではやったな、と思っています。

こんな感覚で事業をしている私なので、IPv6について研究者の方とは考え方も感じ方も違うのは当然で、それでOKだと思っています。 研究者から見たら〇に見えるv6が、実業をやっている私から見たら△に見える。 IPv6が円錐形だったら、どちらの見方も正解です。 研究者は上から円錐を見下ろして、〇に見えるといいい、現場にいる私は円錐を横から見て△だという。 

話はかわって、7月27日に久しぶりのセミナーをします。 今、企業がどんな通信サービスを使い、どんなポリシーでネットワークを設計すべきか、がテーマです。 「IP−VPN vs 広域LAN」ももちろん議論したいと思います。  下記ホームページを参照してください。

アドバンスト・テクノロジーセンター セミナー「Voice over Packetsとポリシー・ベース・デザイン」

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次世代広域LANの方式

掲示板ネタでここに引用するいいものがないな、と思っていたら昼ご飯のおかずを買いに行った嫁さんが、届いたばかりの日経コミュニケーション7月2日号を持ってきてくれました。 あったあった格好のネタが、というのが「次世代広域LAN技術に3方式が浮上」というレポートです。 「企業ネットに巣くう常識を切る」という特集記事も「勇ましくて」面白そうなのですが、ちょっと見た感じではやはり「円錐形」を上からしか見てないようです。 

広域LANの書き方も面白いですね。 日本でのパイオニアであるCWCの名前はなかなか出てこず、NTT東西やTTNETのサービスが広域LANの代表であるような書き出し。 MANのエリア内に閉じたサービスが中心で全国にまたがる長距離サービスに適さない、というのは全国を対象にサービスを始めたCWCが既に多くのユーザを獲得している事実と符合しません。 なにか意図があるのかな?と思ってしまいます。

ともあれ、来週土曜日の第13回情報化研究会の「IP−VPN vs 広域LAN」ラウンド3、では広域LANサービスをスイッチ・ベースで実現する方式(Extreme)とMPLSで実現する方式(RiverStone、Juniper)の比較が主要テーマなので、このレポートはちょうどいい予習になります。

CWCの広域LANが802.1Q方式のVLANとSONETリングを組み合わせたものであるのに対し、「次世代」の広域LANは次の3方式が検討されているとのこと。

1.拡張VLAN
ExtremeのvMANが代表で、複数のVLANを束ねて上位層のVLANを定義することで802.1QのVLAN数の制限4094を上回るVLANを中継路上で多重可能にする。 

2.Ethernet over MPLS
MPLSで構築した中継網上でVLANグループとLSP(label Switch Path)を1対1に対応づけて管理する。 IETFではMartini草案とKompella草案が作成されているとのこと。
製品としてはJuniperが出荷済みでNTTコムがテストしているとのこと。 

3.UTI(Universal Transport Interface)
イーサネット・フレームをIPパケットにカプセリングし、IPバックボーンで転送する。 VLANごとにIPアドレスを割り当てればアドレスの数が許す限りVLANを多重できる。

5月19日の京都研究会で、某キャリアの人が広域LANへの大企業の認知度が高まっている、今年に入ってIP−VPNの伸びが鈍化している、と言っていましたが、この記事のNTTコムの動きはそれを反映していると思いました。

どの方式が主流になるかは別として、Ethernetインタフェースでの広域回線サービスがユーザにとってメリットがある、ということをキャリア、ベンダーが認知し、大慌てでその対応をし始めた、という見方で間違いないのではないでしょうか?

さて、これまで「これからはIP−VPNだ!」と号令をかけて売っていたキャリアが、全国の営業マンに広域LANとどう売り分けさせるのか? また、IP−VPN用のMPLS網を新しいEoMPLSの可能なバックボーンに移行して投資の無駄は生じないのか?=安価な価格で提供できるのか? 大いに興味のあるところです。

7月7日の研究会ではスピーカーをお願いしているExtremeの山中さんやRiverStoneの花輪さんに加え、Juniperの有力代理店である日商エレクトロニクスの方も参加するので、技術、マーケティングの両面から勉強させてもらえるものと期待しています。

それにしても面白いですね。 レイヤ2のフレームをレイヤ3のMPLSやIPが運ぶという、EoMPLSやUTIの発想。 ユーザから見れば、価格・性能・使いやすさ・信頼性が優れていれば内部の方式は何でもいいのですが、現時点でいずれがおすすめか答を探したいと思います。
 
 

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