間違いだらけのネットワーク作り(181) 2001/06/02
「IP−VPNでのVoIP(3)」

梅雨のはしりなのか、よく雨の降った1週間でした。 さあ、今週は何を書こうかとPCの前に座っていると、学校から帰った次男が届いたばかりの日経コミュニケーションを手渡してくれました。 面白そうな話題がならんでいますが、「次世代ネットの主役に躍り出たイーサネット 10ギガ、VDSLでWAN進出」というレポートが目にとまりました。 これまでIP−VPNを押してきた日経コミュニケーションでしたが、これからは広域LAN応援団になるのかな? と思いました。

国内でこれだけ多くのキャリアに採用されて広がりつつある広域LANを見れば、いまさら、次世代ネットの主役はイーサネットなどと言わなくても、という気がします。 いずれにしろ、広域LAN推進派としてIP−VPN vs 広域LANを追っている私としてはルータ・ベンダーよりと思っていた日経コミュニケーションにしては思い切った見出しだと思いました。

ちなみに、WANサービス用LANスイッチは国内ではあるベンダーが独占に近い状況です。(Cで始まる社名ではありません) 米国でもおそらく同じでしょう。 ところが、日経コミュニケーションの記事ではこのベンダーの製品についてほとんど触れられていません。 何故でしょう? 広域LANを提供している日本のキャリアに取材して「次世代ネットの主役を先取りした広域LAN用スイッチ」とでも題して記事を書いて欲しいですね。 日本のキャリアで広く採用されているスイッチはWDM内蔵でファイバを直収でき、10ギガ・イーサにも当然対応しています。 

IP−VPNでのVoIP(3)

さあ、扇情的な記事のことはおいておき、私の好きな現場発のVoIP情報を先週に続いて取り上げます。 セバスチャンさん、詳しい情報をありがとうございます。 

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Re: IP-VPNでのVoIPのもう1つの要素  Follow: 413 / Prev: 402 / No: 412 [返信][削除]

 投稿者:イタンジ  01/05/31 Thu 00:23:32
私もセバスチャンさんとほぼ同意見です。

> それは反対に、揺らぎ吸収バッファがカバーできれば良いと言う事ですよね。
> 私のもう1つの結論としては、遅延や揺らぎはVoIP-Gateway装置の性能に依存す
> る、というものです。
> 私の立ち会った検証で、同じ環境でもC社のVoIP-Gatewayでは、かなり揺らぎや遅
> 延が大きかったと聞きます。
私もVOIP評価、デモをいろいろやりましたが、VOIP-GWにjitter-bufferが
深すぎて、128Kでも結構負荷てやっと遅延(音切れではなく、伝送遅延)が
発生してQOS有り、無しの区別をつけられることとかがありました。
ちなみにC社Router内臓VOIPはチューニングが悪かったのか、同じ条件下
で音切れまで発生してくれてわかり易かったです。(^^;

> 128kでは・・と言う発言もあるようですが、実は私の導入実績で、64kで十数か所
> 導入した実績があります。
> 音声とデータ統合して、網での優先制御オプション付きです。
> やはり、切替当初は音質が悪い、というクレームが上がったようですが、途切れや
> 遅延は感じないし業務上支障は無いレベル、という一定の評価はいただいていま
> す。
そうですか・・・フラグメントやCRTP無しでQOSのみで64Kで・・
VOIPは1chでしょうか?使われているトラヒック量に当然よりますが
jitter-bufferが深くてもデータトラヒックが増えてくるとどうしても会話
上の遅延が発生して、いわゆる「会話のかぶり?」がでてこないか心配で
す。

> 機会があれば、広域LAN+L3SWをやってみたいですね。
私もSONET、時分割多重にとっても興味があります。
評価してみたいですね。
ちなみにA社さんの198千円L3はどうなのでしょうか(A社さん
読んでたらごめんなさい)

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Re: IP-VPNでのVoIPのもう1つの要素  Prev: 412 / No: 413 [返信][削除]

 投稿者:セバスチャン  01/05/31 Thu 12:38:05
> そうですか・・・フラグメントやCRTP無しでQOSのみで64Kで・・
> VOIPは1chでしょうか?使われているトラヒック量に当然よりますが
> jitter-bufferが深くてもデータトラヒックが増えてくるとどうしても会話
> 上の遅延が発生して、いわゆる「会話のかぶり?」がでてこないか心配で
> す。
>

1chです。
確かにデータ量は気にかかりますが、いままでISDNでダイヤルアップして使っ
ていたそうなので、それほど使用しないだろう、と予測しています。
でも繋ぎっぱなしになると、何かと使ってみたくなるのは人情ですから、少し気が
かりです。

> > 機会があれば、広域LAN+L3SWをやってみたいですね。
> 私もSONET、時分割多重にとっても興味があります。
> 評価してみたいですね。
> ちなみにA社さんの198千円L3はどうなのでしょうか(A社さん
> 読んでたらごめんなさい)

AL・・・社ですね。私も興味津々です。
VoIPもやろうとすると帯域制御機器が高くつきそうなのが、気がかりです
が・・・。
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*IP−VPNでのVoIPのもう一つの要素としてJitterバッファによるゆらぎの吸収という対策は有用だと思います。 ただ、イタンジさんが言うように64K程度の回線で、かつデータも流れていれば遅延(ゆらぎでなく、絶対値) そのものが大きいためJitterバッファは深くなり、トギレはなくても会話しづらくなる可能性はあります。

*下図はIP−VPNでのVoIPにおける遅延を推定したものです。  音声パケットの優先制御はないという前提です。

*キャリア網はIP−VPNです。 網内遅延は50ミリ秒と仮定しています。 左のサイトは1.5M、右のサイトは128Kのアクセス回線で接続しています。 優先制御はないにしても、両端64Kで使うよりはるかにVoIPにとって有利な環境です。 それでもアクセス回線使用率60%で240ミリ以上、80%では320ミリ以上の「平均」遅延になります。

*「平均」とは確率50%で平均より遅くなる、逆に確率50%で速くなる、という意味です。 ゆらぎの大きさを加えると片方向遅延は300ミリを超えることがままあるでしょう。 

*64Kアクセス回線でVoIPがOKというのは、ユーザがトギレがなければ遅延には寛容なのか、あるいはデータ・トラヒックがきわめて少ないケースではないでしょうか?

*いずれにしろセバスチャンさんのケースは事実なので、ネットワークの利用環境によっては64K、10数箇所規模のVoIP over IP−VPNは実用になると了解しました。 が、普通には128K以下は無理だというのが常識的な見解だと思います。

*前にも書いたとおり、IP−VPNでは遅延もJitterも大きくなるので、Jitterバッファのコントロールが優れたVoIP−GWが必要です。  京都研究会では優れたGWとしてM社、N社、O社の名前があがりました。
 

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