間違いだらけのネットワーク作り(179) 2001/05/19
「IP−VPNでのVoIP」

今週は8人の方が入会しました。 若い方から40代の方まで幅があります。 今週の入会申し込みのメールの中で一番印象に残った文章がこれです。

”もう現場には戻るまい!!”と思っていた私はこのHPをみて
”もう一度いいものを作ってみたい!!”と思いました。

こんなに元気になってもらえるとこちらもうれしいです。 大変な長文のメールで、悩みや迷いの中で頑張っておられるのがよく分かる文章でした。
若くて元気だなあ、とうらやましくも感じました。 ともあれ、ご健闘をいのります。

前著「セルリレー/フレームリレーによる企業ネットワークの新構築技法」を増刷するとの連絡が出版社からありました。 97年4月に出版されてから、これで第4刷です。 いまだに読まれ続けていることに驚くとともに、多くの方に役立てていただいて良かったな、と思います。

実はこの記事は金曜夜に書いています。 明日は朝から京都へ出かけるためです。 今週は5日間でプレゼンを6回こなすという、私にはめずらしく過密スケジュールでした。 京都で研究会の気の置けない人たちとくつろぐのを楽しみにしています。
 

IP−VPNでのVoIP

今週もセバスチャンさんが掲示板に貴重な書き込みをしてくれました。 先週の記事では、いつものごとくキツイ書き方をしたにもかかわらず、ていねいなレスポンスを返していただいてありがたいと思います。

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VOIPの検証  No: 391 [返信][削除]
 
 投稿者:セバスチャン  01/05/18 Fri 01:17:20

間違いだらけのネットワーク作り(178)の返信です。

*文面から推測しますと、「かなり良好」というのはMTUを小さくしなけれ
ば、ということらしいですね。 「かなり良好」の「かなり」が「これ以上改
善の必要がない」程度の「かなり」なのか、「予想よりは良好」という意味な
のか、興味あるところです。 MTUを小さくする、という実験をしたのは
「改善の必要がある」からかな、と想像します。

*MTUを小さくしないと遅延やトギレが気になるのでしょうか? MTUを
小さくして低速拠点での遅延を少なくしたい、でもそうすると肝心の優先制御
が効かない、ではこれ以上の音質改善は無理ということになります。

正確に言えば、128kの回線で、MTUを1500バイトにして音声パケットとデー
タを一度に流せば、途切れや揺らぎが発生して聞きづらい音質になるだろう、と
予測していましたが、それが「予想外によかった」ということです。
私としては、1500バイトでも、これ以上の改善の必要は感じない程度の音質で
した。
もちろん、レガシーなトールダイヤル網に比べれば音質は劣りますが、実用に
十分耐えると判断しました。

たとえば、KDDIさんのIP−VPNでは、WEB上に出ていますが、
QOS制御のオプションとして、「帯域制御」と「優先処理」をネットワーク
側でやってくれるようです。
今回の検証は、この「優先処理」に相当するものです。キャリヤさんは違いますが・・・

CEルータでは重くなりがちな処理をPE側でやってくれれば、かなりCE
ルータの負担も小さくなり、高い品質のデータ音声統合ネットワークが、期待できそうです。

だからといって、「音声データ統合ネットワーク = IP−VPN」とは、
思いません。
せいぜい数十拠点しか扱わない私には、IP−VPNは「十分」と思いました
が、「必要」とは感じませんでした。
キャリヤさんとの棲み分けは、レイヤーで分けたい、というささやかなポリ
シーが私にはあります。
IP−VPNは、なんかごちゃごちゃしすぎで、優先制御オプションも、障害
時にはキャリヤさんとの責任分解点が不明確になるような気がして不安です。
IP層は、SI屋に自由にさせてもらったほうが、ありがたいです。

C社が、Ethernet over MPLS を発表してましたが、これには閉口気味です。
そこまでやるかって感じですね。
それこそ、CEルータにMPLS機能が必要になり、事は複雑になる一方だと
思うのですが。
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*セバスチャンさんの書き込みは事実と意見、双方とも価値があると思います。
IP−VPNでの優先制御が効果があることはよく分かりました。

*さらに情報があればと思うのはデータ・トラヒックの負荷をどの程度、どんな方法でかけたのか
教えていただければと思います。

*同じような実験をIP−VPNでやった結果があります。 そこでの結果は128K回線で優先制御をしても
バースト負荷をかけるとトギレが発生する、というものでした。

*PEでの優先制御は絶対優先ではないので遅延やゆらぎの保証はありません。 そのため無負荷の状態から
一気にデータ転送の負荷をかけると、音声パケットと音声パケットの間に1500バイトのデータパケット2つが入る
ケースがあり、ゆらぎ吸収バッファでカバーできない遅延(約200ミリ秒)が発生したのです。

*上記の遅延は128K、1区間での話です。 END−ENDの遅延はもっとゆらぐでしょう。 低速回線を使った
IP−VPNでは遅延およびゆらぎが大きく、Jitterバッファのチューニングが重要だと言えそうです。

*MPLSでEthernetのフレームを扱うというCISCOのアイデアは半ば自己否定だと思います。
理由の第一はEthernetインタフェースでのサービスの良さを認めていること、
二つ目はEthernetインタフェースでのサービスをIP−VPNで投資したルータで、とキャリアに売り込むのでしょうが
それよりLAN−SWを投資した方が安上がりじゃないか、と思うからです。
 
 

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