間違いだらけのネットワーク作り(175) 2001/04/21
「TV会議の話題」

先週入会したニューヨーク在住の国産メーカー社員、Yさんに米国企業のネットワークについて質問したところ簡明な答をいただいたので紹介します。
 

Q) アメリカの企業はどんな回線サービスを使い、どんな社内ネットワークを作っていますか?
それともVPNばやりで、ネットワークをアウトソースしてしまっていますか?

A)まだ赴任したばかりで、うまく回答できませんが、当方の感触では社内ネットワークに音声統合をするのはトレンドではなさそうです。 理由は<PSTNの通信費が日本にくらべて格段に安い>につきます。 ニューヨーク市では市内電話は何時間かけようが一接続につき12セント、日本への国際電話も1分15セントくらいです。 以上のことから、TDM/FR等の企業通信ネットワークで音声通信を実現している会社または企業通信でデータ通信しが使用していない会社にとって,VOIPでの新たな提案はそれほど魅力的ではありません。 もはやアプリケーションとしての音声はコスト面、付加価値面からいってもキラーアプリとして成立しない感があります。 VOIPが使用されるためには、いわゆる公衆網でのVOIPやVOIP化よるCRM等の実現といったところかと思います。 前者にたいしてはQOSの問題(テクニカル)、後者に対してはニーズの少なさ(マーケティング)が今時点での問題です。
 

VPNに関しては確かに興味があるようですが、ワールドワイドで展開する必要がある企業はQOS問題等で米日あるいは米欧間での限定使用になるようです。 VPNが主流になるのはもう少し先になると思います。 キャリアもMPLSが可能で世界的なネットワークをVPNで構築できると話していますが、そのような企業は大変革新的かと思います。

と、言うことです。 

TV会議の話題

大阪での設計プロジェクトが始まって以来、毎週金曜日の午後6時から東京と大阪の間でTV会議をするのが日課ならぬ週課になりました。 進捗の確認と問題点の整理・解決が目的です。 大阪では東京から出向いている若手と現地の若手、あわせて3人が詳細設計を進めています。 東京側は私を含む、中年2人。

お客様と基本的な要件について合意するまでは私も頻繁に大阪に出向いたのですが、基本設計が終わるとお客様抜きのTV会議で充分だということが分かりました。 今までも、京都、広島、名古屋、等々地方のネットワーク構築をして来ましたがTV会議を取り入れたのははじめてです。 これなら従来以上に地方の仕事を受けても大丈夫、と意を強くしました。

TV会議といってもPictureTelの安いシステムです。 INS64利用。 双方で同時に発言すると、音声が飛びます。 いわゆるダブルトークがダメなのです。 慣れるまでは声が大きくなりがちでしたが、すっかり慣れた現在では普通の会議と同様、自然に話せます。

で、ここのところTV会議で話題というか、問題として出ているのはトラヒック予測の問題です。 新システムのカットオーバーにあわせて新ネットワークを構築するのですが、この新システムのトラヒック予測がコロコロ変わってFIXしないのです。 これは今回のプロジェクトに限らないことで、新らしいコンピュータ・システムのトラヒックをシステム稼動前に予測するのは結構大変です。 かといって、システムが動いてからネットワークを設計したのでは間に合いません。 さあ、どうするか? 

ネットワーク設計で一番難しく、手間がかかるのはトラヒック現状調査・トラヒック予測・分析です。 その際、もっとも大切なことは何か? トラヒック予測は「予測」ですから、100%正確には出来ません。 ユーザの利用頻度の予測、システムでのメッセージ数・メッセージ長の予測、オーバーヘッドの予測。 100%正確でないことを前提に設計を前に進めるにはどうすればいいか? 数学や技術では解決できません。

技術の話題ではQoSをどう実装するかが面白いテーマです。 いろんな機器がまがりなりにもQoS機能を持っていますし、帯域制御装置を使う方法もあります。 ユーザに必要なQoSを実現する一番効果的でコストの安い方法は何か。 

来週の金曜日、どんな答えが出ているか楽しみです。

さて、5月19日(土)京都にて研究会を行うことが決まりました。 下記のとおりですので、参加を希望する会員(情報化研究会の会員が対象です)はメールで申し込んでください。 昨年はしだれ桜が満開の4月に行ったのですが、今年は新緑の京都です。 緑のもえる八坂神社の森を四条大橋あたりからながめるのも、いいものです。

1.日時 5月19日(土) 午後1時〜4時
2.場所 NTT西日本・京都支店(京都市中京区烏丸三条上ル)
*入館方法などの詳細は後日、会員ページに掲載
3.テーマと講師
「ブロードバンド時代のQoS・帯域制御」 NEC 荒堀さん
「ネットワークのポリシー・ベース・デザイン、etc」  松田
*荒堀さんから技術的話、私からは文学的話、というところです。
4.会費 3000円(懇親会費は別途)
 
 

ホームページへ