間違いだらけのネットワーク作り(156) 2000/12/02
「SOLTERIAのVoIP、その実像は?」

12月13日(水)の情報化研究会「IP−VPNとQoS」は55名参加となりました。 今回、いつもの土曜研究会より申し込みのペースが速かったのはテーマや講師が良かったせいもあるかもしれませんが、どうも土曜日に研究会に出てくるより会社の帰りに参加できるWeekdayの方が参加しやすいようですね。 皆さんの意見を聞いて土曜研究会から水曜研究会に変えてもいいかな、と思っています。

さて、先週の記事に対してメールでの反応が2通、そしてネットワーク掲示板への強烈な書き込みがありました。 メールや書き込みの内容が100%正しいとは思いません。 しかし、100%間違いでもないでしょう。 日本テレコムさんには申し訳ないですが、SOLTERIAを題材にIP−VPNの実像に迫ってみたいと思います。 「実像に迫る」なんてカッコよすぎですか?  メールや書き込みの内容に対して皆さんからのフィードバックをもらい、情報の修正・追加をすれば実像に近づくと思います。 一番いいのは日本テレコムの方が事実を教えてくれることです。 研究会にも10人以上日本テレコムの方はいるので情報提供を期待したいものです。

すでに情報化研究会のメンバーの中でも「先端」にいると思う3人の方に書き込みの内容についてのコメントを貰いました。 書き込みと、それに対するコメントを以下にまとめます。

SOLTERIAのVoIP、その実像は?

アスタリスクにつづく赤字がコメントです。 それぞれのアスタリスクは別人のコメントと理解してください。
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記事評「IP電話サービスに及び腰なキャリア」について  No: 185 [返信][削除]

 投稿者:次世代ネット  00/11/30 Thu 01:13:43
はじめまして。 今日もトラブルで午前様になってしまっている某SIベンダに勤めるものです。
先日、日本テレコムがはじめたSOLTERIAのVoIPサービスについて、少し話を聞いたので息抜きで投稿します。  びっくりした話だらけでした。

まず、たしか日経コミュニケ-ションの記事では、アクセス回線が1Mビット/秒以上を推奨となっていたと思いますが、このアクセス回線にはDAなんかはだめで、ATMのみだそうで、音声とデータのVCを分けて設定しないといけないみたいです。  ここなんですが、SOLTERIAの入り口のルータ(Cisco)にVCを分けて入るとどうなるか??   SOLTERIAの入り口ルータでは音声専用IP-VPNとデータ専用IP-VPNができるはず。(これ音声データ統合ネット??)

*私の推測では、上記は統合アクセスではないでしょうか? (音声用直収専用線とデータ用アクセス専用線の統合)  このパターンは確かにあります。 1本の専用線上に音声用・データ用の帯域割付するのは、音声データ統合といって も いい かもしれませんね。

* DA1500専用線を利用した形で音声データ統合網を構築できないというのはわかりません。 IP−VPNで音声データ統合網を構築するのは大変難しいというのならわかりますが。

* これは、2つの推定ができます。 1つはシスコのVPN上でのVoIPの実現方法で取り上げた、DATA系VPNと音声系VPNを別々に作り、ATMアクセス回線上で2つのVPN向けのVPを多重するもの。 もうひとつは、DATA系はIP−VPN利用、VoIPはFR−CRのインターワークでIP−VPNを使わない方法をとり、やはりアクセス回線上で2つのVPを多重するものです。 低速であってもVPが別(VCでも同じ)であれば、フレーム単位ではなく、セル単位での送出スケジューリングができますので、音声とそれ以外をパスで分離できれば、パスごとに送出バッファが分離されていれば、ロングフレームの影響は考える必要がなくなりますし。

更に、どーも日本テレコムもフュージョンコミュニケーションと同じくソフトスイッチを使っているようです、どこ製かはわかりませんが。

ここで、腑に落ちないことがあります。 フュージョンコミュニケーションは、複数ユーザがGW間でトラヒックを共有して運ばれるはずです。  しかし、ユーザ宅内からはIPリーチではなくキャリアのみがアクセス可能なIP-VPNとなっているのでトラヒック共有でも特に問題はないと思います。

日本テレコムは?  まさか、日本テレコムも音声専用IP-VPNを複数ユーザが共有するんじゃ?? こちらは、ユーザ宅内からのアクセスなので、複数ユーザがトラヒック共有の1つのIP-VPNだと....他人の宅内にIPリーチになってしまうんじゃ??  セキュリティは??

これに関係すると思いますが、なんと宅内に置くVoIPゲートウェイにアサインするIPアドレスは、日本テレコムがプライベートIPアドレスを強制で与えるらしいです。  今まで何件もSIやってますが第1種事業者が、ユーザにプライベートIPアドレスを強制で与えるなんてはじめてです!

これを聞いてはっきりわかったのですが、やっぱり、このサービスを受ける人たちは、みんな仲良く同じIP-VPNの中で、みんな仲良く同じプライベートIPアドレス空間を使うということだと思います。 世界は1つ、みんな同じLAN環境?  (IPをわかっている人間が考えたサービスとはとても思えない....)

あと、このVoIPサービスに加入した途端、SOLTERIAへのアクセスルータはCiscoでなければいけないみたいで、すでにCisco以外のルータでSOLTERIAに入っているユーザは変更しないといけない!  このルータの後ろにつながるVoIPゲートウェイは、記事通りNECでも良いみたいですけど。

まだまだ、変な(?)制約があるみたいで、怖くてSIできないぞ!っていうのが正直な気持ちです。 記事に出てくる日本テレコムの方の言葉からは、売りたくないけどサービス開始しますって言っているような感じがします。  良くわかりません。  SIをやっている人間から言わせれば、売りたくないならこんな変なサービス開始どーしてしたんだ!って言いたいです。これ以上のトラブルでの寝不足は勘弁って感じです。  みなさんは、どう思われますか?

少し、寝不足で愚痴っぽくなってしまった所もあり、すみませんでした。
では、仕事に戻ります...
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さすがに、後半部分はコメントのしようがない、という感じですね。 本当かな? 本当だったらひどいな、という感じです。 事実を開示して欲しいものです。 キャリアのサービスはオープンで中立・公平であることが大切です。 ネットワーク内部はともかく、ユーザの接続条件や利用条件にかかわることはオープンにして欲しいですね。

NTTコミュニケーションズは「11月22日 次世代IP基盤技術「MPLS」を用いたIP-VPN網と電話網・ISDNとの音声通信サービス等の提供について」
というニュースリリースをしています。 「VoIP(Voice Over IP)技術を用いて、IP−VPN回線相互及びNTT東日本・西日本が提供する固定電話との音声通信を可能とするサービスです。通信料金は、全国一律の低廉な料金体系を実現します。」ということです。 SOLTERIAのようにIP−VPN回線相互間やIP−VPN外部からIP−VPN内部への発信が使えないのと比べるとサービスとしては優れている、というか、当たり前のことが出来ていますね。 しかし、サービスの中立性・公平性という観点からは「CISCOパック」などという特定ベンダーよりのサービスを打ち出しており、納得いきません。 

そういえば今週、富士通のセミナーが有楽町の国際フォーラムでありました。 VoIP関係のセミナーを聞きましたが、話していることと事例のギャップがありすぎて迫力なかったですね。 「VoIPによる戦略ネットワークの云々」といったテーマでしたが、IP−VPNの事例はなし。  5拠点のVoIP事例、拠点数は明示されてないが中小規模の事例、そして2004年に稼動する銀行の事例。 2004年の話なんて20年先くらいに感じられますね。 しかも、専用線ベースのイメージでした。 繰り返し、強調していたのは、「これからはIP−VPNだ」、ということ。 IP−VPNの中はCISCOだらけ、まわりもCISCOの方が有利。 IP−VPNのPRをすることはCISCOの販促をやっているのと同じなのに、富士通の「戦略」は何処にあるのだろう、とあきれました。 

国産メーカーさん、もうすこし頑張ってください。

最後に本題にもう一度もどります。 上記の書き込み、およびコメントについてフィードバックを期待します。
 

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