間違いだらけのネットワーク作り(153) 2000/11/11
「QoSのマッピング」

毎年、冬の味覚として楽しんでいるものに村上重本店の千枚漬があります。 村上重は京都河原町で160年つづいた漬物屋で、このページでも何回か紹介したことがあります。 千枚漬は聖護院大根をかんなで薄く切ってコンブと一緒につけたもので、独特の甘味があります。 これを食べると「今年も冬がくるんだな」という感じになるのですが、今年は京都へ行くチャンスができそうにありません。 そこで昨日、会社帰りに日本橋高島屋地下にある村上重の支店に寄って千枚漬を買って帰りました。 いかにも江戸時代から商売している感じの本店と比べると、デパ地下の店には何の風情もありませんが、わずか1000円ほどの漬物を立派な手提げ袋に入れてくれる過剰サービスは同じです。

本店にはレジすらなく、品物を帳場に出して土間の休憩所で待っているとお茶が出てきます。 お茶を飲み終わったころ過剰包装の品物を持ってきてくれるのです。 この非効率と過剰サービスが好きなのですが。 皆さんにも機会があれば本店に立ち寄ることをおすすめします。 この非効率で、160年同じことを繰り返して商売できる世界。 その日暮らしのIT業界とは対極にある世界です。

QoSのマッピング

先日、DiffServ・IntServの概要とATMのサービスカテゴリーとの対応を記事にしました。 最近入手したNortel社のセミナー資料でDiffServとLAN/WANのサービスクラスの対応付けについてのアイデアを紹介したものがありましたので、話題として取り上げたいと思います。 Web、VoIP、OLTP、メール等々QoS要求のことなるトラヒックにLAN/WAN上でEND2ENDのQoSを保証しようとするとDiffservだけでなく、他のQoS技術とのマッピングが不可欠になります。 Nortelのアイデアは下表のとおりです。
 
 

サービスクラスのマッピング(Nortel社の例)
トラフィック・カテゴリー サービスクラス名 DiffServPHB 802.1p UserPriority ATM QoS
リアルタイム、遅延に敏感 Premium EF(ExpeditedForwarding) 1(higest) CBR
リアルタイム、多少の遅延許容 Platinum AF1(AssuredForwarding) rt−VBR
同上 Gold AF2 rt−VBR
ノンリアルタイム、クリティカル Silver AF3 nrt−VBR
同上 Bronze AF4 nrt−VBR
ノンリアルタイム、ノンクリティカル Standard BE 4(Lowest) UBR

実際に企業ネットワークのトラヒック分析や設計をしている感覚からすると、この6段階のカテゴリーも多すぎるかな、と思います。 実用上はリアルタイム、OLTP、BEの3種類か、せいぜい4種類でいいように思いますがどうでしょう?

NortelにはDiffservのDSCP(DS Code Point)をASICで802.1pにマッピングできるスイッチやアクセスのQoSに応じてバックボーンを選択できるノードがあるとのこと。 ただ、ネットワークの設計上難しいのはネットワーク内部のQoSではなく、コンピュータ上のアプリケーションとネットワークの間でQoSのネゴシエーションをする手段がないことです。 同じIPアドレス、同じポート番号をつかっていても、その上で使われるアプリケーションはその時々によって変わり、そのQoS要求も変わります。 スタティックなQoS制御では不十分なのです。 

IP−VPNでも近々にDiffServのサポートが始まるようですが、どの程度の効果が得られるか大変興味があります。
 
 

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