間違いだらけのネットワーク作り(150) 2000/10/21
「L2−VPNとL3−VPN」(第8回土曜研究会より)

ふだんはこの記事のナンバーなど気にしてないのですが、ふと気づくと150号になりました。 1年52週、盆と正月の2週は休むので年に50号。 150号はちょうど3年経過、ということになります。 なんの感慨もあるわけではないのですが、このページのおかげで私に流れ込む情報量は格段に増えました。 ホームページは情報発信の手段ですが、情報というのは発信する人のところに集まるのです。 ページを見て研究会に入った人が3年で400名を超え、その方々の95%は「いるのか、いないのか分からない」ReadOnlyの人ですが、5%はActiveな情報発信をする、私にとって貴重な情報源になっています。 私は勝手にコアメンバーと呼んでおり、京都や松山へ遊びに行く仲間にも入っていただいています。 楽しく遊んで、勉強にもなる、情報化研究会のポリシーです。

L2−VPNとL3−VPN

先週の予告どおり、今回は第8回土曜研究会「L2−VPNとL3−VPN」のアッサリした要約を掲載します。 本当に面白いのは、ここには書きにくい油っこい話でなのですが、それを知りうるのは土曜研究会に出席した「コアメンバー」の特権、ということにしておきます。 比較の優劣がある項目は○と△で示し、比較対象外の項目は−としています。
 
 

L2−VPNとL3−VPNの比較
L2−VPN
(CWC・広域LANサ−ビス)
L3−VPN
(NTT−C・スーパーVPN)
コンセプト −Ethernet over SONET
−プロトコル・フリー、ルータレスなWANの実現
−セキュリティが保証されたベストエフォート型の高速・高品質(?)IPネットワーク
サービス開始時期 −平成11年10月 −平成12年7月
提供地域 △83都市(2000年3月、沖縄のぞく) ○112AP(2000年末予定)
網構成 −センタースイッチ1ヶ所+SONETバックボーン −バックボーン・ルータ+ユーザ収容ルータ
UNI −10Base−T、100Base−T
−終端装置はイーサネット終端装置
−HSD、DA、ATMメガリンクに準じる
−終端装置はDSU/ONU
アクセス回線 −HSD、ATM、DA、FWA(1.5M以上)
−来年より128Kサービス予定
−HSD、DA、ATMメガリンク
帯域保証 ○バックボーン帯域をSONETの時分割多重で確保 △保証なし
網内遅延 ○小 △L2に比較して大
QoS △優先制御等なし △なし(優先制御は予定あり)
セキュリティ −VLAN(物理ポートがユーザごとに独立) −ラベル(バックボーンの物理ポートは共有)
伝送可能なプロトコル ○IP、DecNET、等Ethernetで扱えるもの △IPのみ
回線バックアップ ○OSPF、EIGRP等による冗長化や負荷分散が容易 △BGP−4しか使えず、難
VoIP対応の難易度 ○帯域が保証され網内遅延が少ないため、エンドシステムで音声の優先制御をすれば比較的容易 △帯域保証、優先制御とも網側にないため難
設計の自由度 ○帯域保証があるため帯域設計ができる
○ルーティング・プロトコルが自由
○ルータレスが可能、ルータやL3SWの選択が自由
○VoIPの設計が容易
△帯域保証がないため帯域設計のしようがない
△スタティックまたはBGP−4
△ルータが不可欠、将来特定ベンダーのルータとそれ以外でサービスに差が生じる恐れ
△VoIPの設計難

アッサリした(?)表ですね。 味は酸味が強いかもしれませんが、油は少ないです。 客観的に言ってL2−VPNの方が優れていると思います。 128Kのアクセス回線が利用できるようになれば、さらにユーザは広がるでしょう。 NTT東日本、西日本もL2サービスをしていますが、今週の掲示版にかかれているとおり、帯域保証のないサービスで、かつ広域では使えないのでCWCの広域LANサ−ビスとは似て非なるものです。

L2−VPNの課題はマーケティングとサポートだけだと思います。 CWCだけが提供するのでなく、同様なサービスをKDDIやテレコム等がはじめればL2−VPNの市場がテイクオフするのではないでしょうか。 商品はいいものが売れるとは限りません。 売り子が多い、ブランドがいい、といったことが効いて来ます。 

L3−VPNはNTT−C、テレコム、KDDI、みんなCISCOを使っており、1年もすればサービス内容は同一になるだろう、という議論が土曜研究会でありました。 ツマラナイ話ですね、大のキャリアがベンダーの製品に縛られて、サービス内容の競争でなく不毛な価格競争を進める。 CWCのように内容が良くて、ユニークなサービスを創出して欲しいものです。
 
 
 

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