間違いだらけのネットワーク作り(148) 2000/10/07
「VoIPシグナリング・プロトコル」

10月14日の土曜研究会は、今日現在でちょうど40名(講師含む)になりました。 会議室定員ちょうどですが、数名程度はまだ入りますので是非にという方はメールで申し込んでください。 今回も、大阪、京都、名古屋、栃木など遠くから参加する方が結構います。 皆さんの熱心さには感服します。  10月の研究会が終わってないのに気が早いですが、11月は関西で土曜研究会をしたいと考えています。 目的はふたつ、京都の紅葉を見たい、ちょっと東京を離れてノンビリしたい。 皆さんと違って私の動機はつねに不純です。

今週の掲示板はここに取り上げるような話題はありませんでした。 今回はお勉強モードでVoIPのシグナリングについてまとめてみます。

VoIPのシグナリング・プロトコル

VoIPのシグナリングは現在H.323が主流です。 しかし、よく知られているようにH.323はプロトコルが重く、ソフトが複雑で接続時間が長い、といった欠点があります。 ここまで主流でありえたのは標準化された時期が早く、「それしかなかったから」でしょう。 現在では下表のように新しいプロトコルが登場しており、VoIPの用途により多様化が予想されます。
 
 

VoIPシグナリング・プロトコル
略称 名称 規格(標準化された時期) 対象メディア コメント
H.323 H.323 ITU−T H.323(’97.5) 音声、ビデオ、データ ・機能が豊富
・バイナリ−・ベースのプロトコル
・複雑なため音声のみに使うには非効率
SIP Session Initiation 
Protocol
RFC2543(’99.5) 音声、ビデオ、データ ・H.323のシグナリングとメディア変換を簡素化し、
高効率化
・テキスト・ベースのプロトコル
・アドレスフォーマットはURL方式
MGCP Media Gateway 
Control Protocol
RFC2705(’99.10) 音声 ・シグナリングをサーバ(Call Agent)に集中、
ゲートウェイはメディア変換に特化することで
スケーラビリティを確保
・テキスト・ベースのプロトコル
NOTASIP Nothing Other Than a Simple Internet Phopne 未標準 音声、データ ・各電話機に電話番号とIPアドレスのテーブルを保有するため、ゲートキーパー不要
・シンプルで高効率だが大規模ネットワークには疑問

さあ、これからどれが主流になるのでしょう? 2つの観点があると思います。 「ただの電話」の世界と「付加価値通信」の世界。 H.323が重いと文句を言っても、もともとビデオコンファレンス用のプロトコルなのだから当たり前。 やはり、H.323は「ただの電話」ではなく、Netmeetingのような付加価値通信で使うべきものなのでしょう。 

「ただの電話」ならNOTASIP(名前が面白いですね、「単純なインターネット電話以上の何物でもない」)でいいかというと、ちょっと無理があると思います。 MGCPは対象とするメディアが音声だけで、まさしく「ただの電話」です。 かといってSIPとMGCPのどちらが「ただの電話」に向いているか、私には分かりません。 ただ、製品化ということではMGCPが先行しています。 

話はまるっきり変わりますが、日経コミュニケーションが10月2日号から模様替えしましたね。 15周年を区切りに、ということらしいですが、その特集が「火ぶた切るブロードバンド革命」。 あれ、つい最近同じような特集があったじゃない? と思ってバックナンバーの背表紙を見ると4月17日号で「突入、ブロードバンド時代」というのがありました。 半年たたないうちに同じテーマの特集では新鮮味の出しようがありませんね。 15周年記念なら、もっと目新しいテーマを選んだ方が良かったと思います。 私の好みを言ってもしょうがないですが、「火ぶた切る」とか、「突入」という形容も週刊誌的な軽さで感心しませんね。  長年購読している読者として感じるのは15周年を区切りに「模様替え」ではなく、編集のポリシーを変える時期に来ているんじゃないか、ということです。

さあ、1週間後は土曜研究会「L2−VPNとL3−VPN」です。 提供側のキャリアの講師、聞いている側のユーザやルータ・ベンダーの方々から生の情報を聞くのを楽しみにしています。 
 
 
 
 
 

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