間違いだらけのネットワーク作り(143) 2000/09/02
「L2−VPN/VoIPの商談」

9月1日は大阪で朝の9時から午後5時まで、お客様とレビューをしました。 200ページを超えるドキュメントなので時間がかかるのです。 しかし、いいですね、たまに丸1日を技術的な情報のシャワーの中で過ごすのは。 頭の中がサッパリし、ストレスもかなり解消できました。 また、お客様のレベルが高いので、私の持ってない情報も教えて貰えるのです。 たとえば、「キャリア各社はIP−VPNでのVoIPはあきらめている。」 「某社のVoIP−GWを社内環境で実験したが、○○○○が不合格だった。」など。

情報というのは不完全なもので、キャリアがIP−VPNをあきらめている、というのも100%正しいと思われているわけではないのです。 しかし、さもありなん、という情報です。 帯域幅の保証も遅延の保証もないIP−VPNでまともな音質が出せるはずもない。 ところが帰宅してメールをチェックして見ると、某キャリアの社員から「VoIPサービスの開発を進めているので情報化研究会に入会したい。」という趣旨のメールが来ていました。 面白いものです。 あきらめ切れないキャリアもいるということでしょうか?

そう言えば、日経コミュニケーションの2000年3月6日号「企業ネットワーク 次の一手」(関心のある記事だけは保存してあるのです。)では、協和発酵が3月末までにCWCの広域LANサービス、または日本テレコムのIP−VPNのいずれかを選択し、2000年10月には一気にデータ系を移行、音声も実験の結果実用に耐えられるので統合、と書かれていました。 アクセス回線速度は1.5M以上なので、まあ、なんとかなるのかも知れません。 結果に興味がありますね。 

協和発酵のネットワーク拠点が数10拠点程度なら、1.5M以上で引き回してもコスト的に耐えられえるでしょうが、100拠点を超え、かつ地方が多いようだとユーザ側もキャリア側も採算をあわせるのが難しいんじゃないかと思います。 CWCも日本テレコムも足回りはNTT依存の拠点が多くなるでしょうから。 なにせ、3月の記事はネットワークのイメージだけで拠点数すらないので判断できません。 この秋のNTTの電話料金大幅値下げも逆風ですね。 採算計算はやり直しです。

私は動いてもいないネットワークの事例記事など信用しません。 日経コミュニケーションには協和発酵がどちらのサービスを選択し、音声も含めて結果がどうだったか、是非、取材して欲しいと思います。 掲示板で活躍して頂いているCWCの八巻さんなら、選択の結果はご存知でしょうね。 

さて、その掲示板です。 CWCの広域LANサ−ビスでCISCOのLAN−SW間独自プロトコル、ISL(InterSwitchLink)が通せるかどうか、という質問を投げた高橋さんの書き込み、
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投稿者:高橋  00/08/30 Wed 10:22:22
こんにちは。
色々な方が此処を見ているようで、非常に心強いです。
ブルボンさん、かめさん、有り難うございます。
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に象徴されるように、結構、皆さんの問題解決の役に立ちそうなので安心しました。 高橋さんの質問のように現場からの疑問、というのは具体性があって発展しやすいですね。
ということで、今週のBestQuestion賞は高橋さん、BestAnswer賞はCWCの八巻さん、ブルボンさん、かめさんと候補が多いですが、かめさんの的確で分かりやすいコメントにしたいと思います。 ちなみにCWC八巻さんと高橋さんは情報化研究会の会員です。 かめさんは不明ですが、CISCOか、CISCOの代理店の方ではないでしょうか。 CISCOの経験が深くないとあんなコメントできませんね。 私も勉強させて頂きました、ありがとうございました。

毎週、BestQuestion賞とBestAnswer賞を独断と偏見で選びたいと思います。 賞といっても何も差し上げられませんが、情報化研究会のホームページにハンドル・ネームを記録していきたいと思います。

L2−VPNかL3−VPNか

掲示板に最初の質問を投げかけた「こすし」さんの、「L2、L3−VPNのメリット、デメリット」という質問。 どちらが優れているのか? L3−VPN側からの書き込みが全然ないので判断できませんが、今のところL2−VPNが勝っているのではないでしょうか? L3/LAN−SWを使えば大規模なネットワークでもルータレスが実現できる、というのがルータ屋の嫌いな私には好もしく感じます。 想像するところ、CWCさんのセンター設備はCISCOでもなさそうですし。 

L3−VPN側からメリットがあげられていないので未完成ですが、L2−VPNとL3−VPNの比較を簡単にすると下表のようになります。 実現性というのはCWCのサービスは発表された内容が実現できている、という意味です。 2年ほど前に新聞等で「電話交換機の不要な次世代ネットワーク」とブチあげられたL3ネットワークはいまだにVoIPすら実現できていない。 公平な比較表にするため、L3−VPN側からの情報を期待します。 ただ、「こすし」さんが書いているようなインテリジェントな付加価値サービス、などという何時のことか分からないことでなく、実現性のあるメリットをあげてください。
 
比較項目 L2−VPN L3−VPN
QoS × ×
冗長構成の容易さ
プロトコルの透過性 ×
ルータレス・ネットワーキング ×
実現性

VoIPの商談

都甲さんからのVoIP商談の書き込みが生々しくて面白いですね。 以下、引用。
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Re: VoIPどうですか?  Prev: 8 / No: 21 [返信][削除]

 投稿者:都甲  00/09/01 Fri 19:19:30
> 真面目に経済効果を計算したら、ペイしないケースの方が多いはずです。

 全く言われる通りです。私の場合、困った事にお客様に行けば経済効果、販社に行けば儲かるのかしか言われない状況です。

> CISCO、富士通以外の製品でいくらになるか試算は簡単に出来ます。 富士通というのは自社製品ですか? それとモトローラのOEMですか?

 自社開発製品でLR-V1150T/Dという名前で、128Kbps迄の専用線、FR対応で4累按のE&MかFXSが使える代物です。
 商談はうちの営業さんが持ってきた話で、某英会話学校さんで導入検討しているという事で見積りした。
本社         :1拠点  内線数 8
PBXの淦ン電話有り拠点 :4拠点  内線数 2
PBXの淦ン電話有り拠点 :28拠点 内線数 1
RJ-11のみ拠点  :5拠点  内線数 1
という構成で1500万位を予想されていました。うちで見積もったら本社にLR-X6030ルータとLR-V1150×2台、
拠点をLR-V1150×37台で見積もって倍の3000万位がでした。回線コストは別です。回線は専用線のスター型です。
 対抗先は拠点にYAMAHAのRT-103IとOKIのISDN-TA、本社と内線数2の拠点にRT-103I×4台とBV1250の構成でした。
 回線はIP-VPNを使用するとの事でしたが、私はIP-VPNを音声で使用出来るのか解らなかったので専用線で見積もりました。
構成次第でえらく額面が変わる物ですね。びっくりしました。自分の見積り額にも。

> また、「PBXがないと、FXS接続では内線専用電話になりこれでは...」というのは具体的にどういう意味ですか?

 これはPBX、ボタン電話の無い拠点での話ですが、ルータが外線を収容できない為ルータに直収した電話機から外線がかけられ
ないのです。ERICSSON等の外線を収容出来る装置があれば出来るのですが、高くついてしまいます。OKIさんならできるのに。
 選択肢が少ないというのは悲しいです。
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富士通のLRルータ vs YAMAHA+OKIですか。 専用線のスター構成とすると、回線料が高くなるだけでなく、本社のLRのポート数が増えて高くなりますね。 拠点の分布が広域なら、音質と回線料の妥協点として公衆フレームリレー網がいいのではないでしょうか。 IP−VPNとは無謀ですが、聞こえればいいというのならいいでしょう。

普通のVoIPなり、VoFRの製品なら、この規模のネットワークは1500万円未満で出来ます。 手間がかかって儲けのない仕事になるでしょうが。 

もし、YAMAHA+OKI over IP−VPNで動いたら面白いですね。 この規模だとアクセス回線は64Kとか、128Kといった低速でしょうし、拠点数もけっこうありますから音質を良くするのは大変だと思います。 
 
 
 
 

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