間違いだらけのネットワーク作り(1) 97/10/18

○ネットワークの構築を検討されている企業の方と会話していると、情報不足や先入観からモッタイナイことや、オカシイことをしようとされていることがあります。

○「間違いだらけのネットワーク作り」ではユーザの方の情報不足や間違った先入観からもたらされる問題を取り上げ、それを取り除くための解説をしたいと思います。

○第一回は「ATMやフレームリレーのネットワークを導入するためにHDLC、SDLC、L2Bといったレガシー・インタフェースを持った端末やホストをスグに捨てるのはモッタイナイ」という話です。

○このような例はたくさん見られるのですが、その典型的なモデルを想定して解説します。ここでの話はあくまで想定モデルです。

○モデル企業ではDDXパケットや専用線を使い、メーカー独自のHDLCやベーシック系のプロトコルを使ってオンライン・ネットワークを使っていました。

○このオンライン業務に加え、イントラネットやグループエア導入のために各事業所にLANを導入することになりました。これに対しメーカーはオンラインで使っている端末を全て更改し、HDLC等からTCP/IPに替えてイントラネット用のクライアントやサーバーとともにルータでWANに接続することを提案しました。WANは公衆フレームリレーです。

○多くの事業所で使われているオンライン端末は古いものもありますが、まだ数年使える新しいものも多く残っています。何故、イントラネットをやるために全部捨てねばならないのでしょう?

○そもそも単純なオーダー入力などが多いオンライン端末と情報系的な業務に使われるイントラネットのクライアントでは使う人も、端末に求められる機能も違います。

○イントラネットではブラウザも、グループウェアも、emailも必要です。WINDOWSベースのPCが便利です。しかし、オーダー・エントリー用の端末は従来通りのダム端末あるいはエミュレータを乗せた古いパソコンでどこが悪いのでしょう?

○「LAN/WAN環境をフレームリレーで作る、そのためには全体をTCP/IPに統一せねばならない」というのが間違った先入観なのです。

○ATM/フレームリレーのネットワークでは安価なFRAD(各種のインタフェースをフレームリレーに変換する機能、電話を接続する機能=VOFR、ルータ機能などを持つ)を使うことにより、LANの新しいインタフェースとHDLC、SDLC、L2Bなどの古いインタフェース、さらには電話/FAXが容易に一つのWAN上で統合でき回線費用を大幅に節減できます。

○下図はATM/フレームリレー交換機、64K専用線、FRADを使ってモデル企業のオンライン端末(X.25とHDLCの2種のインタフェース)とLAN、電話を統合したものです。

 

○このような構成は私自身が手がけた銀行や製造業等の企業で数多く稼働しています。レガシーなインタフェースでも使えるものは使う→ネットワーク統合により通信費用を大幅に節減する→古い端末は更改時期を迎えたものからゆっくり新しい端末に移行する、このような選択が多数のオンライン端末をお使いの銀行や企業には良いのではないのでしょうか?

どんなFRADや交換機を使えば経済的にネットワーク統合が出来るのか、ふさわしい機種や価格についての質問をホームページのEMAILアドレスでお受けします。企業名、所属、電話番号をお忘れなく。

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