何故、ATMを使うのか? 97/10/11
○「回線費用が安くなるから」。これが私の現時点での答えです。
当然、WANでの話であってLANでのことではありません。
○WANにおけるATMの適用範囲は、先にこのページでも紹介した「ATMメガリンク」というNTTの新しい専用サービスで格段に広がりました。このサービスが始まるまで私はATMの普及は当分先のことだろうと思っていました。
○メガリンクがいいのは0.5メガという低速から使えること、料金が高速デジタル回線と比較してはるかに安価なこと(シングルクラスの場合)、の2点です。ATMは50メガ、150メガといった高速で使うもの、という先入観をうち破りました。
○極端な話、1.5メガ〜6メガといった品目の高速デジタル回線を使っているユーザは今すぐATMメガリンクに移行すれば回線費用が大幅に安くなるのです。
○東京〜大阪間のATMメガリンクと高速デジタル回線の料金を比較すると下表のとおりです。
(単位:万円/月)
回線種別 | 1.5M | 2M | 3M |
高速デジタル回線 | 157.4 | --- | 270.2 |
ATMメガリンク(シングル) | --- | 91.8 | 124.4 |
ATMメガリンク(デュアル) | --- | 153.9 | 211.6 |
*NTTの高速デジタルには2Mの品目がなく、ATMメガリンクには1.5Mがありません。
*ATMメガリンクのシングルクラスは1芯式、保守クラス1(故障受付24時間365日、故障修理はNTTの営業時間内)での料金です。
*ATMメガリンクのデュアルクラスは1芯式、保守クラス2(故障受付、修理とも24時間365日)での料金です。
*詳しくはNTT専用線のホームページを参照してください。料金計算も簡単にできます。
NTT専用線事業部ホームページ
○高速デジタル回線は中継区間がNTT内で二重化され、保守も24時間365日でATMメガリンクのデュアルに相当します。表から分かるとおり、ATMメガリンクのデュアルを高速デジタルと比べると20%強安価なだけです。たいしてシングルクラスは50%以上安価です。
○ATMメガリンクを使うために必要なのはTDM等現在使っている機器のインターフェースをATMに変換するためのATM交換機です。ATM交換機を導入するイニシャルコストが回線費用の節減額で短期間に回収できるなら「安いからATMを使う」が成立することになります。
○既存のTDMが更改時期をむかえているなら、それを捨ててATM交換機+メガリンクに移行するのは当然の選択です。この場合メガリンクはデュアルであっても話は成立します。
○難しいのは昨年TDMを更改したばかり、といったユーザです。TDMを捨てずにATMをペイラインに乗せるにはシングルクラスでないと無理でしょう。シングルクラスであってもバックアップや迂回ルートを工夫することで回線費用を大幅にアップせずに信頼性を向上させることが出来ます。
○TDMをATM交換機に接続して使うのは本来は避けたい構成です。なぜなら、TDM〜TDM間の接続はCBR(固定速度)となり、動的に帯域を割り当てるというATMの良さが発揮できないからです。TDMの償却が終わった時点ではPBXもHDLC等のレガシーデータも直接ATM交換機に収容し、効率的な回線の利用が出来るようにすべきです。その場かぎりの拡張性のないATM交換機(たとえばPBXの2Mインタフェースが使えない)では、ATM交換機自体すぐ捨てなければならなくなります。
○ATMメガリンク利用のコツは次の3点だと思います。
・シングルクラスを使う
・バックアップ、迂回ルートの工夫(あるいはバックアップなし、の割り切り)
・拡張性のあるATM交換機の選択
○あなたの会社でATMメガリンクをどう使うべきか、どんなATM交換機を選択すべきかご質問にお答えします。
・会社名、所属、氏名、電話番号を明記の上ホームページのメールアドレスまでメールでご連絡ください。
・ただし、下記のような場合はお受けすることは出来ません。
@個人としての質問(会社名や所属、電話番号がない場合)
A会社が通信機器ベンダー、システムインテグレーター、通信業者等ネットワークを本来業務としている企業の場合。
B設計しないと答えが出せないような質問。
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