セマウル号・高速バスでソウル・慶州3泊4日(2003年8月10日〜14日)

                  へジャンクッ慶州・チョムソンデ??? ????

 韓国を訪れるのは今回で12回目。まさかパスポート申請時には、こんなに何回も訪れるとは思っていなかった。
 できることなら連続して有給休暇をとり平日の空いている日にゆっくりと訪れたいのであるが、いろいろな点でかなりリスクが出てくるので今回は夏休みを利用して行くことにした。事前に成田ーインチョン往復のJAL割引チケットを手配していたのであるが、シーズンということもあり行きの成田発が入手できず、名古屋発になってしまった。宿泊先はソウルについてから韓式旅館を探す予定である。ところで、日本の多くの人たちが年3回の決まった時期にのみに混雑を覚悟して集中してしか旅行が出来ないという、ある意味で貧しい環境は早く何とかして欲しいものである。

 2003年8月10日(日)
 韓国出発は明日早朝であるが、名古屋空港発であるため前日に名古屋入りしなければならない。自宅を昼過ぎに出る。今年は冷夏であったが今日は珍しく夏らしい厳しい暑さである。新幹線の指定席は当日でも何とか確保することができ、ほっとしながら名古屋までの2時間を眠って過ごした。名古屋に到着し、駅の外に出るとこちらもさらに厳しい暑さになっている。明日からの韓国旅行を控え、この暑さの中名古屋市内をあちこち行くのは面倒なので早々と駅近くのホテルを取り、クーラーの聞いた涼しい部屋で明日からの具体的な計画を立てた。
 実は今回慶州に行こうと決めたのは、学生の頃に「神様こんにちは」という韓国映画を見て以来、その映画のロケ地の一部となっている慶州の風景を一度見てみたいと思っていたからである。しかしながらソウルからは遠いし、滞在日数もある程度必要であるためこれまで延ばしてきたのである。
 ある程度明日の動きが固まったところで時計を見ると18時を回っていた。せっかく名古屋に来ているのだからと思い、名古屋駅へ名物の味噌カツ弁当を買いに行った。初めて食べるにはおいしく、関東では経験できない味であったが全体に甘く濃い味でまた食べたくなる味ではなかった(^^;;。
 こうして一日目は特に何もせず、ホテル内で一日を終えた。たまにはこのような贅沢な時間の使い方も悪くはない。

 8月11日(月)
 名古屋空港発9:00のJAL983便に乗るべくホテルを6時半ごろ出る。ソウルには2時間ちょうど、11時に到着の予定である。名古屋空港から国際線に乗るのは初めてなのでどんな様子か少し楽しみである。名古屋駅前から空港バスで数十分、少し早く着きすぎたようだ。お盆の真っ盛りとあって空港内の国際線カウンターには長い長い行列ができていた。出国手続きを無事終えてまわりを眺めたが名古屋空港は自分が予想していたよりも多くの国際線が乗り入れているようだ。
 機内に入りまわりを見渡すと意外と韓国人が多いようだ。あちこちから韓国語が聞こえてくる。機内食を食べたり、韓国入国書類を書いたりしているうちに韓国までの2時間はあっという間に過ぎていく。定刻より10分ほど早くインチョン空港に到着した。何度もこの空港に来ているがこの空港は新しいだけではなく、広くて明るいので何度来ても気持ちが良い。入国審査の順番を待っていたが日本人は長蛇の列である。毎回、この順番を待っている間が本当に長く感じられる。早く入国したいのに・・・。
 今日はソウル宿泊予定なのでとりあえずソウル駅までのリムジンバスのチケットを買った。もう、何度も来ているのでチケット売り場、バス乗り場は覚えてしまった。空港ビルの外に出るとソウルはカラッとした暑さで気持ちが良い。次々に来るハングル文字を掲げたカラフルなリムジンバスを見ているとソウルに来たんだ〜と実感がわいてくる。ソウル駅行きのリムジンバスは途中たいした渋滞もなく1時間ほどで終点に着いた。ソウル駅の窓口で明日の7時30分発の慶州行きの特急セマウル号の切符を買う。セマウル号に乗るのはこれで2回目だが今回は特室(グリーン車)の予約をした。無事座席の予約もでき、ソウルの繁華街の一つであるチョンノへ市内バスで向かった。このあたりは安い韓式旅館や韓式食堂が集まっているので観光客には滞在しやすい。チョンノの大通りから少し中へ入った所で「美都旅館」と掲げた看板を偶然発見、とりあえず中に入ってみた。韓式旅館の中はたいてい薄暗く独特の雰囲気が漂っている。幸い入り口に旅館の方らしきアジョッシがいたので聞いてみるとやはりこの旅館の方であった。最初韓国語で会話したのであるが、このアジョッシは日本語がしゃべれるようだ。今夜は部屋があるとのことなのでさっそくチェックインする。たしか3万5000ウォン(3500円)だった。部屋は4階なので階段の上り下りが少々面倒くさかった。
                               ソウル市チョンノ、美都旅館
 時計を見ると2時を回っていた。このあと、市内バスで広蔵市場へ行き、遅い昼食(ラーメン・2500ウォン)をとり、しばらく市場内を見て回った。市場内にはキムチの生臭いような独特のにおいが漂っており、韓国に来ていることを実感した。市場ならではの観光化されていないローカルな食堂がたくさんあった。キムパブ(海苔巻き)やチヂミ、ラーメンや韓国うどん(カルクッス)を売り物にしている店が目立った。なんと、昼間だというのに焼酎でいっぱいやっているおじさんたちがたくさんいたのには驚かされた。(^^;;
広蔵市場内の食堂広蔵市場入口
 この市場は観光化されていないローカルな雰囲気が漂うだけではなく、内部が迷路のように入り組んでいたので十分に楽しめた。食べ物関係では各種キムチ専門店、各種海産乾物店、魚屋、肉屋、八百屋、お菓子屋、飴の量り売り屋・・・・・見ているだけでも本当に飽きない。中には店番をほったらかし、花札に夢中になっている店も見られた。全体的に沖縄の牧志の公設市場と雰囲気が似ていた。
 私はこの市場付近の園芸店でチマサンチュや、白菜などの韓国野菜の種を買った。値段は日本より若干安い程度であった。1袋1000ウォン〜(100円〜)。結局この市場と付近の店を2時間程度かけて見て回った。観光化されていないローカルな雰囲気のエリアを散歩するのは非常に楽しい。
 このあと電車に乗りヨンサンへ向かった。ヨンサンはソウル駅から電車で2つ目にあり、秋葉原のような大きな電気街がある。最近はソウルに来るたびにヨンサンへ寄ることにしている。ヨンサンはこの6月にも韓日電子辞書を買いに来ている。ここは駅前に大規模な電気街があるばかりでなく、農協のスーパーマーケットもあり地元ならではの買いものが安くできて楽しめる。前回同様、私はここで酒のつまみ用にと、スルメを大量に買った。安い!!チョンノあたりは時々日本人を見かけたがこのあたりまで来るとさすがにいないようだ。ヨンサン電子商街のビルに入り最新の韓国映画のVCDやDVDをチェックした。ここは韓国映画のVCDだったら4枚で10000ウォンの安さで買えるので毎回大量に買っている。このあと、地下鉄でワールドカップサッカースタジアムを見に行った。現在この中は広いショッピングモールができていて大勢の人でにぎわっていた。
 この日の夜はソウル一の繁華街である明洞をブラブラと散歩し、ソウルならではのエネルギッシュな雰囲気を味わったあと、宿泊している韓式旅館近くにある小さな食堂でヘジャンクク(牛の肝臓のスープ)の定食(4000W)とビールを注文し、久しぶりの韓国料理を楽しんだ。
 明日はソウル駅7時30分発の特急セマウル号に乗るため早起きしなければならない・・・・。
               ソウルワールドカップ競技場
8月12日(火)
 朝6時にセットした携帯のアラームで目が覚める。目が覚めた瞬間、自分が今韓国にいることに気づき、うれしくなる。
 今日は特急セマウル号特室に乗ってソウルから南へ約400キロ離れた歴史の街である慶州へ行く予定である。
  宿泊した旅館の最寄り駅であるチョンガク駅からからソウル駅までは地下鉄で2駅である。700W(70円)とすこぶる安い。私は韓国に来ると地下鉄や市内バスを何回も利用する。毎回切符を買うのが面倒なので地下鉄とバス共通の「ソウルキョトンカド」(ソウル交通カード)を利用している。プリペイドカードで、残金がなくなれば何回でもチャージして使用できる。そのうえ地下鉄でもバスでも乗るときにはカードを所定の場所に「かざす」だけでよく、なんと運賃も割引になるのである。
 旅館から20分ほどでソウル駅に着く。平日の早朝のせいか駅構内はわりと空いている。構内の食堂でチャヂャンミョン(韓国ヂャーヂャーメン)を食べる。(3000W)駅構内の売店をのぞいたりしているうちに慶州へ行く特急セマウル号の乗車時間になった。ソウルを7時30分に発車し、慶州には11時55分に到着予定である。今回は座席を特室(グリーン車)で予約していたが予想以上に座席が大きくまたすわり心地が良かった。足も十分に伸ばせた。列車が動き始めると車内アナウンスが始まる。韓国語、英語、日本語、中国語の順番で行われた。ところでソウル駅を出てからしばらくすると「ムリョウソービス イムニダ〜」と声がしたので見ると、ワゴンに各種飲み物をのせて係員が運んできているところだった。特室の乗客に無料で飲み物を配っているのである。日本のグリーン車にはない良いサービスだ。私も缶コーヒーをもらった。ところでこの無料サービスのワゴン、慶州につくまでに4回も回ってきた。さすがに私は缶コーヒーやジュースばかり4本も飲めないので最初の1本だけもらっただけだったが。
 列車内には飛行機のように前方にテレビモニターがあり、ちょうど私のお気に入りの韓国のバラエティ番組である「KBSギャグコンサート」をやっていた。芸人が次々と出てきて観客の前でコントや芸を披露する番組である。
 それ以外は車窓を眺めたり、慶州の地図の確認をしたりして過ごした。車窓から見える風景はハングル文字をのぞくと日本の田舎の風景そのもので今自分が日本にいるのでは?と錯覚してしまう。
ソウル駅に停車中の特急セマウル号特室(グリーン車)慶州駅
 定刻どおり11時55分に慶州に到着した。ソウルから慶州までの特急料金プラス運賃は33100W(3310円)と破格の安さだった。慶州は日本でいえば奈良のような歴史の街である。駅前には市場があり、おばさんたちが歩道をも占領して野菜などを売っている。非常に歩きにくい。とりあえず、韓式旅館が集まっている地域(慶州バスターミナル付近)へ移動するため市内バスを待っていた。と、中学生くらいの修学旅行をしているらしい女の子から韓国語で声をかけられた。「すみません、チョムソンデはどうやっていくのですか?」私は質問の意味は聞き取れたのであるがチョムソンデ(私も午後から行く予定の昔の天文台跡)への詳しい行きかたをまだ調べていなかったので、「ごめんね〜ちょっとわからないよ〜」と返答した。
 慶州のバスターミナル付近は案の定、韓式旅館や食堂がたくさん集まっていた。その中の一つ「キリン荘旅館」へ入り、今夜部屋が空いているかどうか聞いてみた。フロントのおばさんによると、今夜は部屋は空いているとのこと、料金は35000Wだった。このおばさんは話し好きらしく、私が日本人で韓国語はあまりわからないと言っても、今日は子供のサッカーチームの団体が来ていてうるさいよ、とか、キーをもらうときに鍵のかけ方とかいろいろ話をしてきた。部屋はとても広くゆったりとしていた。冷蔵庫には無料のミネラルウォーターのボトルが2本冷やされていた
                             慶州・キリン荘旅館
 荷物の整理をした後、このあと見る予定の場所を地図で確認した。時間は1時を回っていた。付近の食堂で冷麺を食べ、慶州の史跡めぐりに出かけた。慶州の町はソウルとは違って田舎町、静かで昔ながらの街並みがたくさん見られた。午後いっぱいの時間を使って徒歩、市内バスを利用して古墳公園、慶州博物館、天文台跡、雁鴨池、五陵を見てまわった。慶州博物館内の展示物の説明は日本語でも書かれていたので分かりやすかった。天文台跡であるチョムソンデは、映画「神様こんにちは」で見たときよりも小さく感じられたがこうして実物を見れて本当に良かった。
 慶州の町はそんなに広くはないので徒歩かレンタサイクルで代表的な見所はほぼ見れる。奈良県と同じく大小含めてたくさんの古墳が街中に点在していた。本当に町の風景が奈良や京都と似ているのでここでも自分が今日本にいるような錯覚を感じた。どこへ行っても静かで緑が多く、落ち着くことができた。慶州では今日から「慶州世界文化エキスポが始まるそうで、夕方からメイン通りでパレードが始まった。
慶州古墳公園チョムソンデ慶州博物館・エミレの鐘

慶州駅前、ここで野菜の種を買った。歩道にまで品物を並べ歩きにくい・・・・


 パレードを見た後、さっき慶州駅に到着したときに気になっていた駅前の市場を見に行った。ごみごみとした市場だったがソウル以上にローカル色が強く感じられて十分に楽しめた。ここで私はまた韓国野菜の種を買った。チマサンチュ(焼肉を食べるときに巻く葉っぱ)の種を選んでいると、やはり種を買いに来たらしいおばさんが「これは9月から始めるのよ。%$)#$”%&・・・・・」としゃべりだした。私は全部聞き取れず、「ああ、そうですかあ」と返事をした。慶州まで来るとソウルとは違い、韓国語にも独特の韓国南部の方言が混じり始める。ソウル言葉以上に聞き取りにくい。
 夜は旅館そばの食堂でカルビタンを食べ、早めに部屋へ戻った。テレビをつけるとKBSドラマ「夏の香り」がちょうど放映されており終わりまで見てしまった。
2003慶州世界文化エキスポ              パレード
8月13日(水)
 今日は午前中は世界遺産にも登録されている仏国寺を見に行き、午後は高速バスでソウルへ戻る予定である。
 仏国寺までは宿泊したキリン荘旅館付近から路線バスで30分ほどだった。慶州市街から少し山の中に入ったところである。付近はお土産屋や食堂が多く集まっていた。朝食をまだ食べていなかったので目に付いた近くの食堂に入った。私はここで山菜ビビンバを注文した。各種きのこ類や野菜がたくさん入っており、また付け合せのおかずも多くて大変満足した。
慶州の民家・・・日本と似ている         懐かしい家並み
 仏国寺の境内に行くまでには小さなお土産やが並んでおり日本と雰囲気が似ていた。このお寺は山の中にあり、紅葉の時期に行くと大変景色が良いと思った。境内には建物や塔が点在しており一つ一つ見て行ったが由来や歴史がよくわからなかった。と、案内所を発見し見てみると仏国寺の案内パンフレットを売っていたのでさっそく買い求めた。日本語で詳しく書かれていたので実物と照らし合わせながら見ていった。
 仏国寺はあまりに広いので予定していた時間を過ぎてしまった。昼前には慶州バスターミナルへ戻り、高速バスでソウルへ向かわなければならない。仏国寺前のバス停で慶州バスターミナルへ行くバスをしばらく待っていたがいっこうに来ないのでタクシーを拾った。韓国のタクシーは初乗りが1600W(160円)と安いので気軽に利用できる。タクシーは途中、普通道路を100キロ以上で飛ばしバスターミナルまであっという間であった。
  山菜ビビンバ仏国寺
 慶州バスターミナルから約5時間半ほどかかってソウルへ到着した。途中の高速道路のサービスエリアで1回休憩があった。私はここでキムパブ(韓国海苔巻き)の弁当とドーナツを買い昼食とした。長時間のバスの旅だったが特に疲れはなく、十分楽しめた。これが仕事だったら非常に疲れていただろう・・・・。
 ソウルへ着いたのは5時過ぎ、これから今夜の旅館を探さなければならない。やはり旅館がたくさん集まったチョンノへ行くことにした。2日ぶりでチョンノへ戻ってきたが久しぶりの感じがする。さて、1件目の旅館をあたったが今日は満室とのこと。それならばと、6月にソウルを訪れた際に泊まったチョゲ寺の前にあるサムオモーテルへ行った。ここは旅館の割には部屋数が多く部屋がとりやすいと思ったからである。フロントのお兄さんに聞くと、しばらくパソコンの画面を見たあと、今夜は部屋があるとのこと、さっそくチェックインした。
 夜は韓国うなぎの専門店をたまたま近くで見つけたのでそこで夕食をとった。チャンオトッパブ(うな丼)を注文すると数種類のキムチなどのおかずが出てきたあと刻んであるうなぎと海苔がのったうな丼が出てきた。うなぎは歯ごたえがあり味は日本のものと同じで大変おいしかった。9000Wだった。この店のメニューは少なく、チャンオトッパブ(うな丼)のほかにチャンオジョンシク(うなぎ定食)、チャンオトシラク(うなぎ弁当)があるくらいだった。
 食後、まだ少し食べれそうだったのでチョンノの屋台を回った後、昨年11月に行ったPC房(インターネットルーム・カフェ)に行った。9ヶ月ぶりに行ったが道はちゃんと覚えていた。ここで韓国カップラーメンやジュースを注文してメールチェックやインターネットを2時間ほど楽しみ、旅館へ戻った。
ソウル・うなぎ専門店 味香  韓国版 うな丼
8月14日(木)
 今日は早くも日本へ戻る日である。こういう楽しい時間は普段に比べあっという間に過ぎていく。帰りの飛行機は昼前なので早起きし、最後のスポット、南大門市場をブラブラと散歩する。この次はいつ来れるだろうか?と半分鬱な気分になりながら最後の韓国の雰囲気を味わう。
 インチョン空港まではソウル駅前から空港バスが出ているのでいつもそれを利用している。インチョン空港には約1時間ほどで到着、キムチや各種韓国食品など最後の買い物を楽しんだ。

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