全羅南道(木浦&珍島)とフルハウスロケ地をめぐる旅(2006年8月13日〜8月17日)・2日目
                     

8月14日(月)

 携帯の目覚ましで目が覚める。
今日もとても良い天気だ。
昨夜、部屋の冷蔵庫に韓国の乳酸菌飲料「快便」(便秘じゃないよ)を入れて置いたのだがなんと冷蔵庫がとまっている(^^;)
韓国へくるとついつい食べ過ぎてしまうので乳酸菌飲料は毎朝飲むことにしているのだ。
今日は市外バスで珍島へ行くことにしている。
木浦総合バスターミナルは今私がいる木浦駅そばの旅館からは数キロ離れている。
タクシーをつかまえてバスターミナルへ。
このバスターミナルは改築したばかりなのか本当に新しい。

※ピカピカの木浦総合バスターミナル

バスターミナル内のカウンターだけの食堂で朝ごはんを食べる。
朝からとても暑いので冷麺にしようかと思いながら壁に貼ってあるメニューを見ると、コングクスの文字が。
豆乳のようなスープに浸かった冷やし麺である。
これは夏限定のところが多いのでさっそくコンゴクスを頼んだ。
アジュンマが「一緒にキムパブも1つどう?」と勧めてくる。なかなか商売上手だ。
調理場には棚があって袋入り辛ラーメンがたくさん置いてある。
韓国ならではの光景だ。
コングクス、確か3000Wだっただろうか。
上に黄な粉がのっていてこれがよくあう。
暑い時に豆乳系の冷たい汁は本当にさっぱりする。
 
※暑い時はこれが一番!!コングクス。
 
この木浦総合バスターミナル、市外バスについては自動販売機できっぷを買えるようになっている。
ターミナル内にはコンビニ1軒、食堂は地下にも1軒ある。
珍島行きの市外バスはほぼ1時間に1本の割合で出ている。
運賃は4700W,所要時間は1時間ほどである。
バスは片側に堤防のある独特の道をしばらく走った後、見晴らしの良い田園地帯を走る。

珍島大橋を渡って十数分で珍島ターミナルへ到着する。
ずっと車窓を見ていたが見晴らしの良い緑いっぱいの風景を最後まで楽しめた。
珍島バスターミナルはいかにも田舎村のバスターミナルという感じ。
老人がとても目立つ。
珍島特産物を売る店があって覗いてみるとワカメや昆布、のり、珍島の地酒などがあった。
バスターミナルの外に出ると。ターミナル周辺は田舎町なりに栄えてはいるが山に囲まれていてどちらかと言うと海というより山村の雰囲気が強い。

※珍島バスターミナルそばはこんな風景が。

さて、まずは宿探しから。
バスターミナルから珍島群庁へ向かって歩いていくとあちこちにモーテルや旅館がある。
どこにしようか迷いながら1軒のモーテルへ入る。が、呼んでもだれもいない。
まだ午前中だし掃除でもしているのかなあ(^^;)
これを繰り返して4軒目、ちょっと路地裏に入ったところにあるデグァンモーテルでやっと人に会えた。
受付に行くと奥ではおばあさんが裁縫をしている。
「1泊したいんですけど」というと、私の顔を不思議そうに見ながら「1泊ね?30000Wですよ。」と言った。
午前中からモーテルに入りたがる人は少ないだろうから不思議に見られても仕方がない(^^;)
私としては早く宿を確保して荷物を置いて出歩きたかったので。
 
※泊まったテグァンモーテル珍島バスターミナルから群庁方向へ歩いて10分程度。路地裏にある。
 
珍島に来た理由は今では有名になってきた海割れの海岸を見ること(私が来る2日前にこの期間の海割れは終わっていたが雰囲気だけでも味わいたいので)と珍島の街歩きをしたかったこと。
でも一番の理由は珍島特産の珍島犬の実物を見たかったことである。
だが事前に調べたところではどこで見られるかはっきりしなかったし、珍島の自治体HPを見ると珍島犬の研究所らしきものがあるようだが
はたして観光客が訪問できる場所なのか不明、という心配を抱えていた。
私はまず最初に珍島群庁へ行って教えてもらうことにした。
珍島バスターミナル周辺にでも観光案内所があればよいのだがあいにくなかったのだ。
私がもっているガイドブックによれば群庁の文化観光課に日本人がいる旨掲載されていた。
さっそく珍島群庁へ行く。
入り口には珍島のスローガンの看板が掲げられていてやはり珍島犬の写真も載っている。
田舎町にしては立派な役所だ。
  
※珍島群庁。3階には文化観光課があり観光情報をいろいろ教えてもらえる。

3階に文化観光課があるということなので行ってみた。
ドアをノックして入り、近くにいた女性職員に「日本人観光客なんですけど〜」というとなんと、日本語で「あら!!いらっしゃい!!」と言われびっくりした。
この方が日本人の職員に違いない。
今珍島に着いたばかりで、珍島犬を見ることができる場所を探している旨話すと、奥から珍島紹介パンフレットや地図、冊子、郡内バスの時刻表など数種類持ってきてくださって丁寧に教えてくれた。
ここからだと珍島犬試験研究所は歩いていける距離にあるそうだ。
研究所とはいっても一般に公開されているので観光客の訪問も大丈夫との事。
ただ、研究所は事務所と犬を管理しているところは別なので注意するよう言われた。
ほかにも珍島の観光スポットをいろいろと説明していただけた。
丁寧にお礼を言って群庁を後にした。
珍島も木浦に負けず暑い。
群庁から歩いて2キロほどのところ、緑がとても多い場所に珍島犬試験研究所はあった。
  
※珍島犬試験研究所の看板。右は事務所。ここには犬はいません(^^;)ここから歩いて10分ほどのところにいます。

事務所の場所は分かったのだが肝心の犬がいる建物がどこにあるか分からない。
研究所の事務所へ行って聞くと係員がなんと外まで出てきてくれて丁寧に教えてくれた。
事務所からさらに数百メートル緑の中に入った環境の良い場所に目的の場所はあった。
入場は無料、入り口には珍島犬像がある。
珍島犬、ここでは種の保存のためにきちんと管理されているとの事。
病気防止のため、入場する前には靴を消毒するようになっている。

※靴を消毒して下さい。この緑の細長いスペースを踏んで靴裏を消毒してから敷地へ入る。

奥には犬の訓練場も見受けられた。
犬舎はその奥にあり、1匹ずつ仕切りで区切られている。長屋のような横に長い、立派な犬舎だ。
  
※珍島犬試験研究所の犬舎。とても立派。

全部で数十匹の珍島犬がいるようだ。
1匹ずつ割り当てられたスペースはとても広い。
各犬の柵前にはその犬の血統が書かれた紙が貼ってある。

さっそくお目当ての珍島犬を見に行く。
柴犬に似た感じの犬と真っ白な犬がとても多い。
ほとんどの犬は怖がって犬舎の中で顔だけ出してワンワンと鳴いている。
が、人懐こい、犬舎から出てきてくれたのも珍島犬もいた。
  
説明によると珍島犬は飼い主にとても忠実らしい。
珍島犬の印象、思っていたよりも大型犬、秋田犬や柴犬にそっくりというのが第一印象だ。
  
まわりの環境はとても良い。
さっき群庁の方がおっしゃっていた、「環境の良い場所で管理されている」とのお話を思い出した。
ところでこの研究所の入り口付近でどこからともなく「ガ〜ガ〜」と鳥の声が聞こえてくる。
探してみると、写真のような鳥舎があった(^^;)納得。
  
時計を見るともう昼をとっくに過ぎている。
ご飯を食べにまた街中へ戻る。
暑さのため冷たくてさっぱりしたものが食べたくなり、昼も続けてコングクスを食べた。
私が入った食堂のコングクスは朝食べたのとは違って、麺がきしめんタイプ。
とてもコシがあった。容器には氷もたくさん入っていて冷たさを楽しめた。

午後は海割れで有名な海岸へ。
海割れは韓国語では「神秘の海道」と言う。
珍島バスターミナルから回洞方面行き郡内バスに乗る。
乗客はおばあさんばかり(^^;)
運賃は後払いで運転手のそばのピンクのザルにお金を入れるようになっている。
バスに乗るときに運転手に海道に着いたら教えてくれるよう頼んでおいた。
バスは山の中の田園風景を走り続け30分ほどで海道のある回洞へ着いた。

※珍島・回洞バス停にて。

ちょっとした漁村と行った感じの小さな村だ。
民泊施設もある。
バス停そばには韓国語で「神秘の海道」という看板が出ている。
バス停から海岸沿いに歩いて10分ほどかかる。
2日前まで海割れのお祭りで賑わっていたようだ。
祭りの後の飾り付けがそのまま残っている。
しばらく歩き続けると海割れの場所に着いた。もちろん私が行ったときは普通の海岸だったが。
「珍島 神秘の海道 ポンおばさんの伝説 」なる碑がある。

この碑の沖合い約2キロにある島まで海道ができるようだ。
碑のまわりでは観光客が思い思いに写真を撮っている。
  
※ここが海割れの見える海岸

私も写真を撮ったり海の雰囲気を味わったり、しばらくここでゆっくりと過ごした。
で、帰ろうとすると3人の小学生低学年くらいの子供たちから挨拶された。
田舎町へ行くと子供たちが見知らぬ人にも挨拶してくるのだ。
見るとリヤカーに乗って遊んでいる。

※地元でであった小学生たち。

日本から来たことを言うと、「え?日本人なの??」ととてもびっくりしている。
「日本語しゃべって〜」、「日本のお金見せて〜」、「日本の悪い言葉教えて〜」など質問を次々にされる(^^;)
が、子供が話す韓国語はとても分かりやすい(笑)
千円札を見せると、「この人が安重根に殺されたんでしょう?」とびっくりするような質問をしてきた。
確かに昔の千円札には伊藤博文が載っていたが。
まだ小さいのに韓国の歴史教育はすごいものだ(^^;)
しばらくこの3人の子供たちと話をしたのち、再びバスターミナルへ戻った。
夜はモーテル近くの食堂へ。
ある1軒の食堂の前にメニューの看板があってウニ丼なるメニューを発見。
早速入って頼むと「今は海女さんがいなくて食事はやっていないんですよ〜。」との返事。
付近の食堂を紹介してもらった。
ここでペッパン(定食)を頼む。
これが大正解。

※こんな料理なら毎日でも飽きないなあ。

おかず8種類と焼き魚、ご飯とスープがついて5000W。
おかずは韓国海苔、雑魚、おでんのキムチ風、海苔の佃煮のようなもの、白菜キムチ、なすのあえもの、牛肉の大和煮のようなものなど。
満足だった。
食堂の帰り道、「ボ〜ッ」と汽笛のような音がしているのが聞こえてきた。
その方をみると煙がもうもうと上がっている。
何事かと見に行くと、なんと、昔の韓国映画でよく出てきた消毒車だ!!
韓国の路地裏をもうもうと煙を出して走る消毒車のあとを追いかける子供のシーン。
珍島ではまだこれが残っていてちょっとびっくり。
これ、一度本物を見たいと思っていたので急いで写真を撮りに行く。
急いで撮ったので消毒車のトラックは映っていないが煙はすごい。

※昔の韓国映画でよく出てきた街の消毒風景。

煙の匂いは、石油ストーブの不完全燃焼のあのにおいだ(^^;)
突然こんな光景に出くわしてちょっと感激。
モーテル付近の露店を見回って今日の予定はおしまい。
明日は珍島から5時間以上かけてバスでソウルへ向かう。





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