忠州〜潭陽〜一山〜ソウル旅行記(2008年5月18日〜5月22日)・一日目
    

                                       

            

 5月18日(日)

  GW出勤分の代休がもらえたので迷わず韓国へ。小さな国だと以前は思っていたが行きたいと思う町、食べたいものはきりなく存在するので何度も通わなければならなくなってきている。
 いつもの日本航空8831便で羽田→金浦へ。今日は日曜日だしシーズンオフだし空いているかと思ったら機内はそこそこ混んでいる。韓国人気は相変わらずだ。また、このところ日本への韓国人旅行客も目立つようになってきた。

※日本航空8831便ソウル金浦空港行き

 機内食はご覧の通り、冷たいご飯もなかなか美味しいなあと感じさせてくれる内容だ。一緒に出されるみそ汁はおかわりしたくなる味。金浦空港には定刻よりも若干早く到着した。ありがたい。

※機内食。冷たいご飯もおいしい。

 今日は一気に忠州まで行く予定である。なのでここからまず東ソウルバスターミナルまで移動する必要がある。いつもなら地下鉄でソウル市内へ入るのだが地下鉄の乗り換えも面倒だし外の景色も楽しめないので今回はバスを使うことにした。
 そういえばKALリムジンバスはこれまでまだ一度も利用したことがない。金浦空港から東ソウルバスターミナルまで行くKALリムジンバスは残念ながらないらしい。蚕室のロッテワールド行きがあるようだ。
 東ソウルバスターミナルと蚕室は近いのでとりあえず蚕室行きのKALリムジンバスに乗った。運賃は6500Wだけあって乗り心地は良い。念のためバスの運転手さんに聞いてみると蚕室(ロッテワールド)で降りてそこでインチョン空港から来るKAL4番に乗り換えれば東ソウルバスターミナルへ行けると言われた。
   
※初めて乗ったKALリムジンバス。席は大きくゆったり。乗り心地も良い。

 1ヶ月ぶりのソウルだがバスの窓からハングルのさまざまな看板が見えてくるとやはりワクワクしてくる。さて、バスの運転手さんに言われたとおり蚕室ロッテワールドで降りてそのまま待っているとなるほど、すぐにKAL4番というリムジンバスがやってきた。このバスの運転手さんに確認すると次が東ソウルバスターミナルだという。運賃は金浦空港から乗ったKALリムジンバスの半券を見せれば追加は不要だった。
 東ソウルバスターミナルは日曜の午後だけあって大変な混雑だ。すぐそばにはテクノマートもあるからなおさらだ。さっそく忠州行きの市外バスチケットを買う。優等で9700W,すぐ次の13時40分発のチケットだった。忠州行き市外バスは頻繁に出ている。13時40分発。羽田を9時20分に出て13時40分前にはもう東ソウルバスターミナルに入ることができる。

※東ソウルバスターミナル。高速バスがズラッと並んでいる光景は何回見ても印象的。

 ところで、もう昼時を過ぎている。消化の良さそうな少な目の機内食しか食べていないのでお腹が空いてきた。バスターミナル構内の売店でキムパブと菓子パン、バナナ牛乳などを買い込む。

※バスの中でお昼ご飯。キムパブとバナナ牛乳など。

 キムパブはごま油が程よく効いており、とてもおいしかった。久しぶりのバナナ牛乳もやはりおいしい。忠州行きバスは時間通りに出発、車内は7割程度の混み方だ。雨が降ってきた。
 途中大きな混雑もなく2時間少々で忠州共用バスターミナルに着いた。ここはロッテマートと接しており買い物に便利そうだ。ソウルは雨だったが忠州はくもり、空も若干明るい。初めての街に着くと毎回ワクワクする。

※忠州共用バスターミナル

 まずは荷物を置いて身軽になりたいので宿探しだ。バスターミナルから見える範囲にたいていはモーテルや旅館が数軒あるものなのだがどうも忠州は違うようだ。ざっとバスターミナル周りを見渡しても1軒もない。食堂や商店、医院などの建物ばかりだ。
 ここから1キロほどのところに忠州駅があるのでその方面に歩き始めると遠くにモーテル群が見えてきた。忠州駅前から賑やかではないが1本の大通りがあり、この通り沿いにモーテルや旅館が立ち並んでいる。

※バスターミナルから徒歩5分程度のところの忠州の街の様子。川やため池が目立つ街だ。

 モーテルオールインという、新しそうな建物のモーテルにした。もちろん韓国ドラマ「オールイン」とは関係ないだろうが(^^;) 受付でおばさんに尋ねると部屋はあるという。普通の部屋は40000W、特室は50000W,とあり、70000Wの部屋もある。地方都市のモーテルとしてはかなり強気の設定だ。興味もあり50000Wの特室にしてもらった。

※モーテルオールイン

 お金を払うときれいなビニールケースが渡された。中には歯ブラシやくし、かみそりにクレンジングフォーム、リンスなどこまごました洗面用具一式が入っていた。これはそのまま使わずに「お持ち帰り」にし、持参したものを使うことにした。
 部屋に入って1泊50000Wの理由がなんとなく分かった。広くてきれいな部屋に壁掛けの大画面テレビ、パソコンも別に付いている。パソコンではネットはもちろん、数十本の洋画、韓国映画が無料で観られるようになっていた。給湯給水器もあり、冷蔵庫にはジュース2缶にインスタント緑茶と珈琲が2つずつ。ベッドは大きなダブルベッドで枕も大きくてふかふかだ。エアコンからテレビ、室内灯などのスイッチは一つのリモコンでできるようになっている。 浴室に湯船はなくシャワーのみ。これがちょっとした難点か。
  
※大画面テレビがたまらない。

 あまり部屋を物色していても時間がもったいないので荷物を置いてすぐに外へ出る。まずはモーテル周辺を歩き回ってみる。大きな建物はなく、地方都市らしい感じの静かな街だ。天然プルガマサウナの建物を見つける。チムジルバンらしい。ちょっと入ってみようと中をのぞいてみたらなんと営業していないようだった。残念。

※モーテルそばで天然プルガマサウナを見つけるが営業してなかった。

 地図を頼りに市場方面へ歩いてみる。市場へ続く大通りで石碑を見つけた。石碑には「ソウル(崇礼門)→145km 忠州→釜山369km(釜山浦)」 とある。隣の石碑の説明によれば、1607年、朝鮮通信使が国書を持って通った道とあり、朝鮮通信使の日本往来400周年を称え善隣友好を誓うとある。市場へ続く何気ない道だが実は歴史深い道のようだ。

※朝鮮通信使の石碑

 忠州に来た目的は市場を見ることと忠州公設市場の橋上にあるスンデ通りの屋台でマッコルリとスンデクッパを楽しむこと。公設市場の中を川が流れており、その上に橋があるのだがその橋の上がアーケード化されていて(暗いが)スンデを食べさせる屋台が連なっているのだ。
近くの案内板によれば忠州公設市場に隣接してムハク市場、自由市場、風物市場などがあるようだ。 ざっとこれらを歩いてみると明るいアーケードの市場もあれば昔ながらの薄暗い迷路のような市場もある。沖縄・牧志公設市場とそれに隣接する各市場、アーケードと雰囲気や規模が似ている感じだ。うっかりすると迷子になってしまいそうだ。途中、自由市場の園芸の店でチマサンチュ(焼肉を包んで食べる時の葉)の種を買う。
  
※ムハク市場入口                    ※ここは明るく賑やかなアーケード

 そばを流れる川の上のある橋にはなんと海軍の哨戒機が飾られている。とても奇妙な光景だ。そばの説明文を読んでみたが哨戒機の歴史や性能のみ書かれてあり、なぜここに飾られているかは書かれてなかった。忠州で印象に残った場所の一つである。

※市場近くの橋の上に海軍の哨戒機。奇妙な光景だ。

 もう夕方6時をまわっている。空は曇っているが明るい。日本よりずっと日が長いのだ。あちこち市場を見て回ってお腹が空いてきた。さっそくお目当ての公設市場内のスンデ通りへ行く。なるほど、市場の下を川が流れていて川の橋の上に薄暗いアーケードがかかっている。長さは短く数十メートルしかない。アーケードの両側はスンデクッパ専門の屋台がほとんど、キムチ餃子の屋台もある。
 『マッコルリの旅』(鄭銀淑 著)によれば著者が訪れたのはスンデ通りの中のアンソンチプという屋台。すぐに見つかったがあいにく満席だ。すぐ隣のソテチプという屋台に行った。

※忠州公設市場内・橋の上のスンデ通り。

 人懐こいおばさんがやっているスンデクッパの小さな屋台だ。あちこちこち歩き回って喉が渇いていたのでまずはマッコルリを頼む。ソベクサンドンドン酒というソウルでは見かけない銘柄のが出てきた。750ml、6度だ。おばさんに聞くとここ忠清北道、丹陽のものだという。おばさんによれば、このマッコルリは前大統領のノ・ムヒョンが好み、青瓦台に出したことがある酒だという。
    
まずはスンデに塩をつけて。マッコルリで一杯。    ※ある程度飲んだらスンデクッパにとりかかる。

 ドンドン酒という名前だが中身はマッコルリだ。おばさんは冷蔵庫から冷えたビン入りのマッコルリを出し大きく上下に振っている。面白い。
 さっそく専用の椀に注いで1杯飲む。濃いが嫌味のない味で香りもよくおいしい。なにより冷えているのが気持ちいい。アルコールを全く感じさせない。マッコルリを飲んでいるとスンデとアミの塩辛、塩が出された。つまみである。私はこのスンデに塩をつけて食べるのが好きである。
 しばらくして大きな入れ物にたっぷり入ったスンデクッパが出された。物凄い量だ。スンデやその他ホルモンがたっぷりと入っている。スープも味が出ていておいしい。おいしいが全部食べられる量ではなかった。屋台のおばさんに『マッコルリの旅』の忠州のページを見せながら日本から来たというと「日本人はあなたが初めて」と言われた。おばさんもマッコルリが好きらしく、本の中に出てくるマッコルリについてあれこれ説明してくれた。
 そうこうしているうちに私の隣に若い家族連れが座り、話に加わってきた。この家族連れの旦那さん、屋台のおばさんのことをイモ!と呼んでいたので親戚同士なのだろう。
 外でドシン!と大きな音がした。気がつくと外は激しい雷雨になっている。もうここに1時間近くいる。混んできたし充分に楽しんだので帰ることにした。マッコルリとつまみは全部食べたがスンデクッパだけは量が多すぎて少し残してしまった。マッコルリ1本飲むとちょうどいい気持ちになる。ビール大瓶1本と同じ程度の量だ。マッコルリ1本3000Wにスンデクッパが4000W。
 モーテルまでの帰り道、1キロ以上あるのだが激しい雷雨で傘も役立たなかったがいい気分だった。モーテルに着く頃には靴もズボンもすぶ濡れだった。さっそく着替えて部屋のエアコンをつけて乾かした。部屋に壁掛けの大画面テレビがあったのを思い出し、さっそくつける。音質もいいし本当に見やすい。
 明日は光州経由で潭陽へ向かう。それにしても韓国は近い。朝自宅を出て夕方には忠州の市場屋台でマッコルリを飲めるのだから。
 
            

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