「乱馬的過激弾 何処!?
-EXTRA MILD-」より抜粋
「死霊の盆踊り」〜518発の戦慄
三千院帝の必殺技、「死霊の盆踊り」を破り、三千院を気絶させるために乱馬が放った突きの数は518発である。あかねは腹立たしげに「五百十八発も突かなくちゃ勝てなかったの?」とこぼし、「一発で楽にしてたまるか。」と乱馬は負け惜しみに近いことを言う…。
苦手なスケート靴をはいていた上に、「死霊の盆踊り」の回転に巻き込まれてのことで、本来のパワーが出せなかったのだと見るのが妥当な線だろう。しかし、後の展開から見ても三千院はそれほど打たれ強いとは思えない。いくらパワーが出なかったとはいえ、518というのは途方もない数字だと言える。
なぜ、518発必要だったのだろう? あえて518という数字を出す意味は何なのか?この数字はいったいどこから来たものなのだろう…?
「518」…。いかにも半端な数字である。そんなもの、適当に決まってる…と言い切れるなら話は早い。だが、この数字には、あくまで可能性としてではあるが、二つの意味を見出せるのだ。
『うる星やつら』の最終シリーズ「ボーイ ミーツ ガール」(ACT.1〜11)をまとめて1話として計算し、『めぞん一刻』の番外編「一刻島ナンパ始末記」を数に加えた場合、『うる星やつら』と『めぞん一刻』の話数の合計は518になる。
さらに、連載開始の前号に掲載された見開き予告2ページから数えると、この回の最終ページまでの『らんま1/2』の総ページ数もまた、518になるのである。
あくまで、条件つきであることからして、これこそ518発の意味であると断定することはできない。しかし、この数字が過去の二大連載の1話1話に、『らんま1/2』の1ページ1ページに対応するものだと考えると、あかねの「五百十八発も突かなくちゃ勝てなかったの?」という台詞は非常に意味を持ってくることになる。
また、この一撃一撃が、過去の二大連載の亡霊を打ち倒すためのものだとすれば、乱馬が破った三千院の技がなぜ「『死霊』の盆踊り」であるかも見事なまでに説明できてしまうのだ。
過去の二大連載…。それは作者にとって輝かしい金字塔であったろう。しかし、その亡霊が新たな作品展開の障害になってきたとしたら…。