last update: 2000/08/01。 どう考えても情報が古い場合は、browserのメニューから[更新]してみて下さい。 |
Time 時間 | Atria 心房 | Ventricles 心室 | |
0.15 秒 | Systole 収縮 | Diastole 拡張 | |
0.30 秒 | Diastole 拡張 | Systole 収縮 | |
0.40 秒 | Diastole 拡張 | Diastole 拡張 | |
sum | 0.85 秒 |
Pulse 脈(脈拍) 動脈に血液が充満すると動脈壁の弾性線維は引き伸ばされ、程なく元に戻る。この動脈壁の拡張と収縮の交互の繰り返しは脈拍として体表の近くにあるあらゆる動脈で触知可能である。二・三本の指を手首の掌側(しょうそく)の外表付近に存在する橈骨動脈の上に置いて脈拍を触知することが広く行われている。首の気管の両側にある頚動脈は脈拍を触知できる別の部分である。通常、脈拍数は心拍の頻度を示している。それは、動脈壁が左室が収縮するといつでも拍動するからである。 (page 132, right) Blood Flow 血流 心臓の拍動は恒常性に必要である。というのも、拍動により圧が作られ、圧により動脈と細動脈の血液が押し出され、組織液との交換がおこる場所である毛細血管に血液が到達するからである。 動脈内の血液の流れ 血圧は血管を押す血液の圧力である。血圧計は、Figure 6.9 に示したような方法で血圧を測定するのに用いられる。最も高い動脈圧は収縮期圧と呼ばれ、心臓から血液が拍出されるときの値である。最も低い動脈圧は拡張期圧と呼ばれる。拡張期圧は心室が弛緩する際に発生する。成人の正常安静時血圧は、上が120mmHg(mm水銀柱)で、下が80mmHgであり、簡略して 120/80(訳注: 読み方は 120 over 80)と記載する。大きい数字が収縮期圧で小さいほうの数字が拡張期圧である。実際、120/80の血圧は腕にある上腕動脈の圧であると予測される。 収縮期と拡張期の血圧は左室からの距離により減少する。それは、血管の断面積の総和が増えるからである。つまり、細動脈のほうが動脈よりもたくさん存在するということである*。血流は毛細血管へ行くに従って、血圧は減少し、血流速度は徐々に減少する。 *(訳注: 何か舌足らず、というか乱暴な説明。抹消に行くに従って血管は、枝分かれして、断面積も、受けた抵抗の総和も増えるから圧を維持するだけのエネルギーが減少するということ。) |
Figure 6.8 Pulse points. 脈拍触知部位(みゃくはくしょくちぶい) 脈は示したような動脈の部位で触知できる。 |
6.4 The Vascular Pathways 血管の径路 心血管系は、Figure 6.12 に示したように、二つの回路を持っている。すなわち、血液を肺に循環させる肺循環(回路)と、身体の組織の需要を満たす体循環(回路)である。どちらの回路も、見てのとうり、恒常性に必要である。 The Pulmonary Circuit 肺循環 肺を通る血液の経路は以下のように追跡することができる。身体のあらゆる領域から集められた血液は最初に右房に集められて、次に右室に送られ、右室から肺動脈幹に拍出される。肺動脈幹は右と左の肺動脈に分かれ、肺動脈は肺に近付くに従ってさらに分岐していく。細動脈は血液を肺毛細血管に運ぶ。肺毛細血管では、二酸化炭素が切り離され、酸素が取り込まれる。次に血液は肺細静脈を通る。細静脈は合流して、左房に流入する四本の肺静脈へと続く。肺動脈の血液は脱酸素した血液であり 肺静脈の血液は酸素化した血液であることから、全ての動脈は酸素を多く含んだ血液を含み 全ての静脈は酸素の少ない血液を含む と言ってしまうのは適切でない。肺循環ではこの公式がちょうど逆になるのである。 肺動脈は酸素を少なく含む血液を肺へ送り、肺静脈は酸素の多い血液を心臓へ送る。 TheSystemic Circuit 体循環 体循環には、Figure 6.13 に示したような動静脈が含まれる。体循環で最も大きな動脈は大動脈で、最も大きな静脈は上大静脈と下大静脈である。上大静脈は、頭部、胸部、腕(上肢)の血液を集め、下大静脈は、体の下部領域からの血液を集める。上大静脈と下大静脈の両者は右房に流入する。大動脈と上下の大静脈は体循環での血液の主要な経路となっている。 体のどの臓器に向かう体循環の血液の経路はどれも大動脈に血液を送り出す左室に始まる。大動脈から起始する動脈の枝は臓器や体の各部分に向かう。例えば、下肢に向かう血流の経路は以下のようである。 (page 135, left) 左室 → 大動脈 → 総腸骨動脈 → 下肢 → 総腸骨静脈 → 下大静脈 → 右房 血流を追跡するときは、大動脈、大動脈の適当な枝、支配領域、大静脈に血液を戻す静脈くらいを気に留めておけばよい。大抵の場合は、同じ領域を支配する動脈と静脈は同じ名前をもっている。(Fig 6.13) 血液が血管の支配する特定の領域に到達すると何が起こるのであろうか。毛細血管交換がおこり、組織液が刷新され、組織液の組成が比較的定常に保たれるのである。 冠動脈(Fig 6.4 参照)は心臓自体の心筋を栄養する。(心臓は心室内の血液によっては栄養されない)。冠動脈は大動脈から分枝する最初の血管の枝である。冠動脈は大動脈半月弁の直ぐ上の部分から起始し、心臓の外表を走行し、そこで種々の細動脈に分かれる。。冠動脈は径が非常に小さいため、138頁に記載しているように詰まることがある。冠毛細血管床は結合して細静脈を形成する。細静脈は集合して心静脈を形成し、心静脈は右房に血液を全て送り込む。 身体は肝門脈系と呼ばれる肝臓と関連のある門脈系をもっている。門脈系は毛細血管に始まり、毛細血管に終わる。始めの毛細血管は小腸の絨毛に始まり、終わりの毛細血管は肝臓の内部である。血液は小腸の絨毛から細静脈に流れ、細静脈は結合して肝門脈を形成する。肝門脈は小腸の絨毛と肝臓をつなぐ血管である。肝臓は血液の組成を監視する臓器である。肝静脈は肝臓から出て下大静脈に入る。Figure 6.12 は血管の経路を追跡するのに有用であるので、この図を見ながら、Figure 6.13 に記したように体のあらゆる部分は動脈と静脈を受けていることを覚えてほしい。 体循環は、血液を心臓の左室から受け右室に送る。体循環により身体は適切に保たれる。 |
Figure 6.12 Cardiovascular system diagram. 心血管系の一覧 青色の血管は酸素を解離した血液を運び、赤色の血管は酸素と結合した血液を運んでいる。矢印は血流の向きを示す。血液の経路の追跡法を学ぶのに有用なこの図と、Figure 6.13 を比較して動脈と静脈が体のあらゆる部分に向かっていることを認識されたい。毛細血管もまた身体のあらゆる部分に存在する。毛細血管から離れて存在する細胞はない。(訳注: 強いて言えば例外は角膜か) Figure 6.13 Major arteries and veins of the systemic circuit. 体循環の主要な動静脈 よりリアルに表現した体循環の主要な血管により、体循環の動静脈がどのように実際の身体で配置されているかがわかる。上大静脈と下大静脈は、その名前をどの臓器との関連からつけられたのであろうか?(訳注: 上肢と下肢かな?) |