週間情報通信ニュースインデックスno.1537 2026/8/8


1.リコージャパン、営業支援AIで30年度に60億円へ ナレッジワークと提携 (8.7 日経XTEC)
リコーの国内販売子会社であるリコージャパンは2026年8月4日、ナレッジワークと資本業務提携契約を締結したことを発表した。出資比率及び出資金額は非公表。リコージャパンは顧客企業に対し、AI(人工知能)を利用し営業プロセスを変革する「AX(AIトランスフォーメーション)」支援を強化する。同関連サービスで、2030年度に売上高60億円を目指す。

拡大   提携の第1弾として、リコージャパンは営業活動を支援するAIサービス「ナレッジワーク AI商談記録 for RICOH」を2026年内に発売する。同サービスは商談内容をAIで文字起こしし、その内容を分析することで顧客の潜在的な課題を発見する。ナレッジワークが提供する「ナレッジワーク AI商談記録」をリコージャパンが営業活動で利用しカスタマイズした。

2.WindowsからiPhoneの機能を利用、通話やメッセージの送受信をパソコンで(8.7 日経XTEC)
 WindowsパソコンとiPhoneを組み合わせて使う場合、アップル製端末同士のように自然な連係ができず、不便を感じた経験がある人もいるだろう。クラウドサービスを介したファイル共有などは以前から利用されてきたが、OSをまたいだ連係には一歩踏み込めない印象もあった。

 近年は、こうした状況に変化が出始めている。「Windows 11」にはiPhoneとの連係も可能な「スマートフォン連携」が標準搭載され、パソコンメーカー各社も独自の連係機能を強化している。通知確認や通話、ファイル送受信に加え、画面ミラーリングに対応する機能も登場し、以前より実用性は大きく向上した。

 例えばスマートフォン連携では、通知共有や通話、メッセージ共有といった基本的な連係機能を利用できる。一方、メーカー独自の機能では、iPhone画面のミラーリングやテキスト入力支援、サブディスプレイ化など、より踏み込んだ機能が提供される傾向がある。

 iPhoneと接続する際は、iPhone側に「Windowsにリンク」アプリを導入する必要がある。Windows側のスマートフォン連携に表示されたQRコードをiPhoneで読み取り、WindowsとiPhoneをペアリングしよう。

  例えば、作業中に届いたメッセージに対しキーボードから入力して返信したり、電話の着信にそのまま応答したりといった使い方が可能だ。iPhoneの音声をWindowsパソコンのスピーカーから出力することもできる。iPhoneを手元で直接操作する回数が減るため、パソコン中心で作業している際には特に便利に感じるだろう。

3.全てが「超」指数関数的に進化、スーパー研究者が創るRSIの世界に備えよ(8.7 日経XTEC)
今週、筆者にとって衝撃的なニュースが飛び込んできた。筆者が長年動向を追いかけてきた米Google(グーグル)の有名研究者4人が独立して、科学的な発見を加速させるAI(人工知能)のスタートアップ「Discovery Loop」を起業したのだ。筆者はその狙いが、科学や工業分野でのRSI(Recursive Self-Improvement)の実現にあると見ている。

 Discovery Loopを起業したのは、Jeff Dean(ジェフ・ディーン)氏、Sanjay Ghemawat(サンジャイ・ゲマワット)氏、Oriol Vinyals(オリオル・ビニャルス)氏、Quoc Le(クオック・レ)氏の4人。いずれもAI分野や分散システム分野の研究で、論文の総引用数が個人で十万件から数十万件を超えるというスーパー研究者である。

 AI開発やソフトウエア開発の分野では、AIが開発したソフトを、AIが検証して改善点を探し出すことで、さらに優れたソフトを生み出すという繰り返し(ループ)を通じたRSI、日本語で言うと再帰的自己改善が現実のものとなり始めている。

 そして4人のスター研究者が今回起業したDiscovery Loopは、AIによるRSIのループを、科学などの研究の世界でも高速に回すことを目指している。具体的には同社のAIを使うと、AIが仮説を考え、仮説に基づく実験を行い、実験による発見を検証して新しい仮説を生み出すという、実験と検証を通じた改善ループを加速できるのだという。製品のリリースはまだ先のことになりそうだが、非常に楽しみだ。

4.人工衛星でデータを処理する「宇宙データセンター」、米SpaceXなどが構想(8.7 日経XTEC)
宇宙データセンターとは、人工衛星や宇宙ステーション内にサーバーやストレージ、通信設備などを設置し、データ処理をできるようにした施設のこと。米SpaceX(スペースX)や米Starcloud(スタークラウド)といった企業が構想を打ち出している。地上のデータセンターが抱える電力不足や土地の制約などの課題を解決する方策の1つとして注目を集めている。

 AI(人工知能)関連処理に必要な電力の継続的な供給は、地上のエネルギーインフラだけでは将来的に困難になると見られている。スペースXは2026年1月、米連邦通信委員会(FCC)に提出した宇宙データセンター向け衛星群の打ち上げ、運用申請書の説明の中で、宇宙データセンターを「AI計算需要拡大に対応する最も効率的な手段」と位置付けた。スペースXは2026年6月8日(現地時間)、AIデータセンター衛星の初号機「AI1」の概要をX(旧ツイッター)の公式アカウントで公表した段階である。

  宇宙にデータセンターを構築するには課題が山積している。最も大きな課題は排熱だ。排熱には伝導と対流、放射の3つがあるが、空気のない宇宙では効率の悪い放射でしか排熱できない。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が選定する宇宙戦略基金事業において、軌道上データセンター構築技術の実施機関に採択されたSpaceBlastの小野康一技術フェローは「地上と同等の100メガワット級のデータセンターを宇宙に造るには、国際宇宙ステーション(ISS)約1000機分の放熱用ラジエーターが必要になる」と試算する。

5.ランサムウエア攻撃者の侵入経路、脆弱性悪用を抜き「メール」が首位に (8.5 日経XTEC)
 相次ぐランサムウエア攻撃。攻撃者は標的とした企業のネットワークに侵入し、業務データを暗号化する。侵入経路としては、VPN装置などの脆弱性を悪用するのが常とう手段と考えられてきた。だが最新の調査によると、メールを使った攻撃が主流になっているという。驚くべき調査結果を見てみよう。

 セキュリティー企業の英Sophos(ソフォス)は2026年7月中旬、ランサムウエア攻撃に関する調査リポートを公開した。リポートは、企業・組織のセキュリティー責任者への聞き取りを基にしている。

 対象は過去1年間にランサムウエア攻撃を受けた企業・組織に所属する、17カ国のITおよびセキュリティーの責任者2158人。同様の調査は毎年実施しており、今回が7回目になる。

 今回発表された2026年版の調査で最も興味深いのは、攻撃者の侵入経路の変化である。2025年まで、侵入経路の首位は脆弱性の悪用だった。インターネット境界に設置したVPN装置などの脆弱性を悪用して、攻撃者は企業ネットワークに侵入していた。

 ところが今回の調査結果では、インフォスティーラーなどのマルウエアを添付した悪意のあるメールが26%でトップとなり、フィッシングも24%に達した。一方、脆弱性の悪用は、2025年の32%から18%に大きく減少した。

 ランサムウエア攻撃対策として多要素認証は有効だが、攻撃者は多要素認証を設定していない抜け穴を探す。例えば、2025年10月にランサムウエア攻撃の被害を公表したアスクルは、リモートアクセスのアカウントに多要素認証を設定していた。

 だが2025年12月に公開した調査報告書によると、多要素認証を例外的に適用していなかったアカウントの認証情報が漏洩し、不正アクセスにつながったとしている。該当のアカウントは業務委託先に付与した管理者アカウントだったので、適用要件が通常と異なっていた可能性がある。

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