1.信頼を損なったNTTドコモのネットワーク品質、改善の道筋を担当者に聞く(5.29 日経XTEC)
モバイル通信の品質に関して、利用者からの信頼を損ねているNTTドコモ。多額のコストを投じて改善を進めているが、それでも利用者の評価は厳しい。同社のネットワークに何が不足しているのか。改善に向けてどのような取り組みをしているのか。ネットワーク担当者に話を聞いた。
NTTドコモは2023年、大都市部を中心に通信品質を著しく低下させた。その後、コストをかけて通信品質の改善を図っているが、利用者からの評価は高まっていない。「NTTドコモはつながらない、遅い」といった評価が一部で見られる。
なぜNTTドコモの通信品質の評価は高まらないのか。同社の執行役員ネットワーク本部長を務める引馬章裕氏は、大都市部のような混雑した場所で高い通信品質を実現するには、基地局の数を増やすだけでは難しいと話す。基地局の数に加えて、基地局1つ当たりの処理能力、そして使用する電波の帯域幅をかけ合わせた「設備容量」が重要になると説明する。
同社は2025年度、独自調査により競合他社と設備容量を比較し、自社の弱点を探った。その結果、2つのことが判明した。1つは大都市圏の設備容量が競合より見劣りしていること。そしてもう1つは、4G向けの周波数帯を5Gに転用した、低い周波数帯の5G基地局が不足していることだ。
後者に関しては、総務省の調査でも示されている。2024年度末時点で、競合2社は4Gから5Gに転用した基地局を約5万〜8万局設置しているのに対し、NTTドコモは約1万局にとどまった。
そこでNTTドコモは設備容量を増やすため、大容量通信に強い6GHz以下の「サブ6」と呼ばれる周波数帯と4G向けの周波数帯を、5Gで使用する取り組みを強化した。2025年度には、前年度比15%増となる5万2300局の5G基地局を全国に設置。5Gの設備容量も、前年度比で15%向上したという。
その要因はやはり、4G周波数帯を転用した5G基地局の数が少ないことだろう。4Gから転用した周波数帯で5Gを面的にカバーできていないと、5Gに接続しても再び4Gに切り替わりやすい。
今後は、4Gに使用しているもう1つのプラチナバンドである700MHz帯の5G転用も進めるとしている。引馬氏は「都市部であれば今年度中、全国でも来年度中には他社と遜色ないレベルに追いつく」と話す。
同時にNTTドコモは、4Gに依存しないスタンドアローン(SA)運用の5Gエリアを拡大し、4Gへの負担を一層減らそうとしている。既に首都圏などでは、SA運用に対応した5Gのエリア拡大を進めているという。
2023年には局所的な通信品質の低下を適切に検知する仕組みがなく、それが通信品質の大幅な低下につながった。そこで同社は、通信の状況から品質の低下を自動で検知して調整する仕組みを、同社ネットワークに順次導入する予定だ。
2.日立が全グループのパソコン17万台にレノボ採用、運用もアウトソース(5.28 日経XTEC)
レノボ・ジャパンは2026年5月28日、日立製作所が全世界のグループ会社で使用する最大約17万3000台のパソコンについて、レノボのサービスである「Lenovo TruScale DaaS」を採用すると発表した。日立はパソコンを購入するのではなくサービスとして月額料金制で利用し、運用管理もレノボにアウトソースする。
日立はかつて国産パソコンメーカーの1社だった。レノボが提供する最大約17万3000台のパソコンには、同社以外のサードパーティー製品も一部含まれ、2028年度までに調達する予定だ。Lenovo TruScale DaaSは「デバイス・アズ・ア・サービス(DaaS)」であり、パソコン本体に加えて、パソコンの配備から運用、保守、サポート、廃棄までの業務をサービスとして提供する。
3.ネットワーク運用にAIを生かすための注意点、カギは安全性とデータ整備
(5.28 日経XTEC)
運用業務にAIチャットやAIエージェントを導入するに当たっては、安全性の確保が欠かせない。LLMの不適切な出力などによってネットワークに障害を起こすと、自社の事業に大きな損失を及ぼしかねないからだ。通信事業者などの大規模ネットワークでは自社にとどまらず、社会的にも大きな悪影響を与え得る。
「LLMとの間で不正な入力・出力を防いだり、意図しないコマンドの実行などをあらかじめ禁止したりといった措置が必要になる」。NTT西日本のネットワーク保守を担うNTTフィールドテクノでAI導入の検討を進めている佐藤亮介ネットワークサービスオペレーションセンタ設備ビジネス担当スペシャリストはこう語る。
もう1つ、不正な出力を減らしてより的確な回答を得るための仕組みとして、LLM-as-a-Judgeという手法がある。AIチャットやAIエージェントのシステムに、回答の「質」を判断する評価用LLMを併用するのだ。
4.ロボット農機の遠隔操作を可能に NTTなどが通信技術を実証実験
(5.27 日経XTEC)
NTTとクボタ、NTTドコモは2026年5月25日、ロボット農機の遠隔操作を可能にする通信技術の実証実験を実施し、有効性を示したと発表した。通信品質が安定しない環境下でも、継続した映像伝送・通信が可能になるという。
クボタの農機にカメラと通信機材を搭載して実験を行った。ロボット農機とクラウド上のサーバー間を、衛星通信回線とモバイル通信回線の2種類を組み合わせて接続する。通信状況に応じて最適な回線を組み合わせて制御することで、通信品質が変動する山間部などの環境下でも安定したデータ伝送を実現した。
制御にあたっては、「マルチ無線プロアクティブ制御技術(Cradio)」を採用した。Cradioは機械学習を活用し、過去の実績情報や無線パラメーター情報から、数秒先の移動位置における通信品質を予測する。予測に連動して、使用する回線を最適化する。
5.侵入後の脅威を封じ込める「EDR」、端末監視で被害を抑える
(5.27 日経XTEC)
EDR (Endpoint Detection and Response)とは、パソコンやサーバーといった端末(エンドポイント)をマルウエアなどの脅威から保護するセキュリティー製品だ。
EDRは脅威の痕跡を見つけることで脅威を検知し、さらにインシデント対応もすることで脅威を封じ込める。いわばオフィスを守る警備員のようなものだ。EDRの動きは、防犯カメラなどで侵入者を見つけ、オフィスに立ち回らないように捕まえる警備員の動きに近い。
EDRが備える主な機能は「検知」「調査」「封じ込め」「復旧」だ。侵入されることを前提に、被害を最小限に抑えることを目指す。EDRは、守りたいクライアントごとに監視用のエージェントソフトウエア(以下、エージェント)をインストールして使う。
エージェントは、端末におけるレジストリーの変更や管理者権限の取得、ファイルの作成、通信などの様々なログを収集し、EDRベンダーが運営するクラウドサービスに送る。
EDRベンダーはクラウドサービス上に、公表されている脅威インテリジェンス(サイバー攻撃関連データを収集・分析し、防御に役立つ形に整理した情報)や攻撃手法などを常に収集し、専用のデータベースで管理している。
このデータベースにある情報と、クライアントのエージェントからのログを、EDRベンダーのクラウド上で照合することで攻撃やマルウエア感染を検知する。検知した場合はエージェントを介して管理者に伝える。
エージェントはエンドポイントに攻撃を受けた旨を、サイバー攻撃を監視し、対応するSOC(Security Operation Center、ソック)やセキュリティー管理者に伝える。
それとともにエージェントは被害の「封じ込め」に動く。具体的には、不審なプロセスを停止したり通信を遮断したりして、感染拡大を最小限に防ぐ。なおEDRの中には、SOC機能をサービスとしてセットで提供するものもある。
ランサムウエア攻撃をはじめとする近年のマルウエア攻撃では、標的に侵入した後、ネットワーク内を探索して他の端末やサーバーに感染を拡大させていく「横展開(ラテラルムーブメント)」の手法がよく見られる。横展開の脅威に対して、EDRを拡張したソリューション「XDR(eXtended Detection and Response)」が登場している。
XDRとは、エンドポイント「以外」の機器やクラウドサービス、メールなどからも情報を集めて分析し、脅威を発見・対応するセキュリティー製品だ。XDRを導入することで、マルウエアが侵入してからネットワーク内部を探索するまでの段階においては、通信ログやセキュリティーログの分析でその動きを検知できる。またマルウエアが横展開して、管理者の権限を取得したりマルウエアを他の端末に感染させたりする段階では、不審な動きの検知によって対策できる。
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