週間情報通信ニュースインデックスno.1526 2026/5/23


1.AIエージェントが10分で脅威特定、NTTドコモビジネスが新提供 (5.22 日経XTEC)
NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は2026年5月20日、AI(人工知能)エージェントを使って脅威を早期発見・対処するサービス「AI SOC」の提供を開始した。同サービスでは、エンドポイントやネットワーク、認証などのログをAIエージェントが分析し、約10分で脅威の特定が可能だという。AIを悪用し高度化・高速化するサイバー攻撃へ迅速に対応する。

 AI SOCは独自開発のAIエージェントを含む「AI Advisor」によるログ分析と、セキュリティーアラートの自動対処を行う「マネージドSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)」、セキュリティー専門家による顧客サポートの3つでサービスを構成する。

  AIエージェントの開発およびマネージドSOAR内に備える脅威への対処のシナリオ「Playbook」作成には、NTTドコモビジネスが20年以上のSOC(セキュリティー・オペレーション・センター)運営で蓄積してきたノウハウを落とし込んだ。AIエージェントの活用により、従来は熟練のアナリストが1〜2時間かけていたログの相関分析を約10分に短縮する。

2.携帯大手3社がAI事業へ傾倒、国内携帯電話産業の衰退につながらないか(5.22 日経XTEC)
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社がAI(人工知能)に傾倒している。成長に限界が見えるモバイル通信から、注力事業をシフトしようとしているようだ。その結果として懸念されるのが、国内の携帯電話産業の衰退である。

 2026年のゴールデンウイーク明けに、携帯大手3社は2025年度決算を相次いで発表した。NTTドコモが増収減益となり営業利益が1兆円を割る一方、KDDIとソフトバンクはともに増収増益で好調だった。

 NTTドコモが苦戦している要因は、競争環境の激化により販促費を増やしたことと、2023年に起こした通信品質低下を回復させるべくコストをかけたことにある。2025年度第3四半期の時点で、通期業績予想を下方修正していた。NTTドコモが業績面で厳しい状況にあることは間違いない。

 携帯大手は、AIを今後の大きな成長領域として力を入れ始めた。特に顕著なのがソフトバンクだ。2026年5月11日の決算説明会では、AI関連事業と新たに参入を表明したバッテリー事業の説明に、大半の時間を費やした。同社は中期経営計画でも、AIの計算基盤やデータセンター、AIを活用したソリューションなどを企業に提供するエンタープライズ事業を今後の大きな成長の柱と位置付けている。AIデータセンターや革新型バッテリー製造ラインの構築などに、2026年度から3年間にわたって1兆円を投資する方針だ。

 昨今のAIに対する盛り上がりを見れば、次の大きな成長に向けてAI関連事業に力を入れることは理解できる。ただ、それによりモバイル通信への取り組みがおろそかになることが懸念される。その結果、将来的には日本の携帯電話産業の衰退につながる恐れがある。

3.Deep Researchを試す、長文のリポート作成ならGeminiがお薦め (5.22 日経XTEC)
ちょっとした疑問はAIと対話してピンポイントで回答を得ればよい。しかし、特定のテーマについてまとまった知識を得たいなら、構成がしっかりしたリポートを作成しなくてはならない。これもAIのおはこだ。この用途に適しているのがGemini、ChatGPT、Copilotにそれぞれ搭載されている「Deep Research」という機能。これを用いると、ネット上の膨大なデータを自律的に収集して分析し、詳細なリポートを作成できる。

 ここではGeminiの手順を掲載した。「Deep Research」を選んで調査目的と内容を送ると、リサーチ計画が表示される。必要に応じて計画を修正したらリサーチを開始。作成には数十分かかることもある。リポートは「共有とエクスポート」ボタンからGoogleドキュメントに出力できる。

4.人の心が分かるAIと分からない計算機、異物同士が同居するメリット (5.22 日経XTEC)
コンピューターを日本語に訳すと「電子計算機」である。計算では、すべての値はきちんと決まっている必要があり、あいまいさは許されない。プログラミング経験者であれば、初心者のころにたった1文字の打ち間違いでエラーになる経験を何度もしたことがあるはずだ。

 もっとも、「洗濯を干す」と言われて全く意味が分からない人はおそらくいない。誰でも意味はすぐに分かる。つまり、あいまいさを許さないのがコンピューター、あいまいさを許すのが人間というのがこれまでの常識だった。

 ところが、この常識に反する存在が登場した。皆さんご存じのAI(人工知能)である。AIはコンピューターの上で動作しているにもかかわらず、コンピューターとは異なる原理で動いている。あいまいさを許容できるのだ。

  一方、今のAIはこうしたアドバイスに向いている。まるで人の心を理解しているように親身になって答えてくれる。もちろん、AIは真の意味で人の心を理解しているわけではなく、内部の仕組みに従ってそう見えるような文章を出力しているだけだ。それでも「人間関係の相談に乗る」という用途での実用性は高い。

  会話型AIの心臓部である大規模言語モデル(LLM)は、自然言語で書かれた大量の文章を学習することで、文章を解釈したり生成したりできるようにしたものだ。自然言語は大量のあいまいさを含むため、これを学習したLLMもあいまいさに対応できるようになった。

 コンピューターとAIは補完関係にあるのだ。同じ機械の中で同居していれば、互いの欠点をすぐに補い合える。例えば会話型AIサービスの1つであるChatGPTは、厳密な計算が必要な場合は裏でPythonコードを生成し、内部で実行してその結果を回答に利用する。もしAIが従来のコンピューターとは異なる専用のハードウエアで動作するようになると、いちいち通信が必要になってしまう。

5.サーバーもルーターも値上げラッシュ、納期に大幅乱れ 半導体高騰が波及 (5.20 日経XTEC)
世界的な半導体不足を背景に、サーバーやルーターなどIT機器の値上げが一気に広がっている。調達現場では「値上げは即日適用」「納期は未定」「見積もり有効期限はわずか2週間」といった異例の状況が常態化しつつある。企業インフラを支えるIT機器の調達に、いま何が起きているのか。

 「顧客が求める製品を全く調達できない。『低いスペックでも大丈夫』などと日々説得している」。ある大手システムインテグレーター(SIer)の製品事業部門の幹部は、ため息交じりにこう話す。例えば1テラバイト(TB)のDRAMを搭載したサーバーを希望する顧客に、「512ギガバイト(GB)にすれば納期が早まる」と提案するのが精いっぱいだという。

 価格の上昇も急激だ。大手IT販売会社の大塚商会では、5年前に導入したサーバーの更新提案をしたところ、見積もり額は当時の2?3倍に跳ね上がった。調査会社ガートナージャパンの青山浩子シニア ディレクター アナリストは「サーバーの価格は2025年半ばの水準と比較して、2027年半ばまでに最大2.25倍まで上昇するとみている」と説明する。

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