週間情報通信ニュースインデックスno.1521 2026/4/18


1.実はAIで大成功していたMeta、広告売上高がGoogle超えとの予測も(4.17 日経XTEC)
米Meta(メタ)の広告売上高が2026年には、米Google(グーグル)を上回る――。米国の調査会社であるEmarketer(イーマーケッター)が2026年4月13日(米国時間)、そんな予測を発表した。メタ好調の原動力となっているのは、広告事業におけるAI(人工知能)活用だ。実はメタは、AIの勝者だったのだ。

 イーマーケッターは各社の「純額ベースの世界広告売上高(Net Ad Revenues Worldwide)」を推計している。それによれば2025年の売上高はグーグルの2140億6000万ドル(約34兆円)に対してメタは1961億7000万ドル(約31兆円)であり、グーグルがメタを上回っていた。

 それが2026年にはグーグルの広告売上高が前年比12%増えて2395億4000万ドル(約38兆円)になるのに対して、メタの広告売上高は同24%増えて2434億6000万ドル(約38兆7000億円)に達し、メタがグーグルを初めて上回ると予測する。

 グーグルの親会社である米Alphabet(アルファベット)が2026年2月4日(同)に発表した2025年12月期決算の年次報告書(10-K)によれば、グーグルの広告売上高は2946億9100万ドルであり、イーマーケッターが推計する純額ベース広告売上高を800億ドル以上も上回る。

 一方、メタが2026年1月28日(同)に発表した2025年12月期決算の年次報告書によれば、同社の広告売上高は1961億7500万ドルであり、イーマーケッターが推計する純額ベースの広告売上高とほぼ一致する。

 これはイーマーケッターが純額ベースの広告売上高を算出する際に、決算上の総広告売上高から、各社が自社のサイトやサービスにユーザーを呼び込むために他社に支払ったコストであるTAC(Traffic Acquisition Costs)などを除外しているためだ。

 メタの好調さを支えているのは、広告事業におけるAI活用だ。メタはFacebookやInstagram、WhatsAppといった自社サービスにおいて、ユーザーがどのようなコンテンツを視聴したかAIが長期間にわたって追跡することで、ユーザーの嗜好を正確に予測。それに基づいて、ユーザーに表示する動画や広告といったコンテンツの優先度ランキングを決定している。

2.国内金融業界、Mythosに危機感 「防御の前提覆る」「対策にAIフル活用を」 (4.17 日経XTEC)
 米Anthropic(アンソロピック)が発表した大規模言語モデル(LLM)「Claude Mythos(クロード・ミトス)」を巡り、日本国内の金融業界で波紋が広がっている。Mythosは未発見の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)発見やエクスプロイト(攻撃コード)生成の能力が高まっており、AI(人工知能)によるサイバー攻撃の急増を懸念する声が広がっているためだ。国内金融業界関係者の受け止めをまとめた。

 auカブコム証券(現三菱UFJ eスマート証券)社長を約17年務め、現在は証券関連システムの開発を手掛けるトレードワークスの社長を務める齋藤正勝氏は「AIがツールから自律的な攻撃主体に変質した転換点だ」と語る。

 齋藤社長はClaude Mythosが脆弱性を突くエクスプロイトを高確率で作成できたことや、27年間見逃されてきた脆弱性を自律的に発見したことを挙げ「従来の脅威の延長線上にはない。証券システム開発の現場にいる者として、昨日まで有効だった防御の前提が根本から問い直される局面に来たと受け止めている」を危機感を示す。

「国内の証券業界の対応策として3つのアクションが急務だ」とする。具体的には(1)従来型の脆弱性診断から、Claude Mythosレベルの攻撃AIを前提とした脆弱性診断に切り替えること(2)サイバーリスクに関して取締役会レベルで議題とすること(3)アンソロピックがIT・金融大手を集めて創設した「Project Glasswing」と同様の防衛コンソーシアムを、日本でも金融庁・金融情報システムセンター(FISC)・業界団体などが連携して創設すること、を挙げる。

3.米アンソロピックがMythos発表に続き「Cowork」一般提供 「SaaSの死」再燃(4.15 日経XTEC)
米Anthropic(アンソロピック)が人工知能(AI)の新モデルや新サービスを立て続けに打ち出した。ソフトウエアの脆弱性を高精度で見つける新たな大規模言語モデル(LLM)「Claude Mythos」に続き、AIエージェント「Claude Cowork」の一般提供を発表した。モデル性能の向上とAIエージェントの進化が同時に進む状況に、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)がAIに代替されるとする「SaaSの死」の懸念が再燃している。

 アンソロピックは2026年4月9日(米国時間)、パソコンでの事務作業を自動化するAIエージェントであるCoworkの一般提供を開始した。同社は2026年1月に同機能をリサーチプレビューとして公開しており、このたび正式版に移行した。提供対象はClaudeの有料プランの利用者である。

 Claudeのデスクトップ版アプリのエージェント機能に相当する。例えば、ローカルフォルダー内にあるファイルの整理やリポート作成といった事務作業をAIに代行させることができる。

 Coworkでは、コミュニケーションツール「Slack」からのメッセージ取得やストレージサービス「Googleドライブ」からのファイル読み込みなど、外部サービスの利用が可能だ。こうした接続先ごとに「参照のみ許可」「書き込み禁止」といった制限を管理者が設定できる。AIが意図しない外部サービスにデータを書き出すリスクを抑えるのが狙いだ。

4.ソフトバンクなど3社、フィジカルAIへの通信 ロボとMECの連係が鍵 (4.14 日経XTEC)
産業用途など実用的なロボットに欠かせないのが、ロボットの高度な自律動作を可能にするフィジカルAI(人工知能)だ(図1)。実現に向けて鍵を握るのが無線通信の進化である。ソフトバンクや米Qualcomm(クアルコム)などが目指す世界観がはっきりしてきた。

 米T-Mobile(Tモバイル)最高技術責任者(CTO)のJohn Saw(ジョン・ソー)氏は、フィジカルAIは生成AIよりもさらに巨大な市場になり、数十兆ドル規模に達すると読む。「5G(第5世代移動通信システム)-Advancedや6G(第6世代移動通信システム)のような高度なネットワークは、単なる接続手段ではなく、フィジカルAIのための神経系だと見ている」と通信の重要性を指摘した。

 フィジカルAIの登場によって、スマートフォンが中心だったトラフィック(通信量)が大きく変わる。これまでは下り通信が大半だったが、フィジカルAIでは上り通信が増加する。これは、端末上でカメラやセンサーを用いて映像といった大容量のデータを取得し、ネットワークを通じてクラウドにアップロードしてAIが判断・推論する材料にするためだ。



5.27年4月に「ICチップ本人確認義務化」、対面での口座開設や携帯契約で (4.13 日経XTEC)
マイナンバーカードなどのICチップ内の情報を読み取って本人確認する方法。すでにオンラインでの携帯回線の開設では義務化されている。2027年4月以降は対面での銀行口座や携帯回線の開設時にも原則義務化される。

 2027年4月以降、銀行口座や携帯回線開設時の本人確認方法が厳格になる。これまで認められてきた本人確認書類を撮影した画像や、書類のコピーで確認する方法は使えなくなり、原則としてICチップ付き本人確認書類のIC情報の読み取りが必要となる。

 ICチップ付き本人確認書類とは、主にマイナンバーカードや運転免許証のことだ。偽造しやすい写真で券面記載情報を送信するのではなく、偽造が難しいICチップ内に記録されている情報を読み取る方法に変更することで、銀行口座や携帯回線が、本人以外や犯罪用途で利用されることを防止する。

ホームページへ