週間情報通信ニュースインデックスno.1511 2026/1/24


1.KDDIが大阪堺DCの稼働を開始 松田社長は「AI基盤と通信基盤の両輪」を強調 (1.23 日経XTEC)
 KDDIは2026年1月22日「大阪堺データセンター」の稼働を開始したことを発表した。同データセンターは2025年4月にKDDIが取得した旧シャープ堺工場の跡地を再利用し、土地の取得から 約10カ月で稼働を始めた。当日の開所式でKDDIの松田浩路社長CEO(最高経営責任者)は「通信基盤に加えてAI(人工知能)基盤も整備し、この両輪でAIの社会実装を加速していきたい」と語った。

 大阪堺データセンターは、延べ床面積約5万7000平方メートルで地上4階の建物だ。AIデータセンターとして、米NVIDIA(エヌビディア)のサーバー「NVIDIA GB200 NVL72」などのAIサーバーを稼働させ、全フロアで直接液体冷却を使える環境を整える。

 2025年4月に旧シャープの堺工場を取得してから、データセンターへの転用が始まった。一般的にデータセンターは土地の取得から稼働 まで約3年かかるというが、この短期間でデータセンターとして稼働できた背景には、旧工場の有効活用がある。  松田社長は「建物・電源・冷却設備を継承し、水冷対応のサーバールームを急ピッチで作った」と説明する。シャープの旧工場で使える設備を継続して使うことで本来ならば新規で購入する必要がある電源設備や冷却設備などを購入せずに、開設までこぎ着けた。

 データセンター開設に向けては東芝が電源設備やUPS(無停電電源装置)など、NECネッツエスアイがセキュリティーや認証・監視設備、日本設計が設計、そして富士電機E&Cが冷却設備とその設計をそれぞれ担当した。

2.CESで注目「人型ロボ」は中国が席巻 (1.22 日経XTEC)
2026年1月6〜9日に米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジーの見本市「CES 2026 」に、筆者は初めて参加した。印象的な展示などは多くあったが、中でも特に驚いた展示を3つ紹介したい。

その1:ヒューマノイドロボット展示に占める中国、韓国企業の多さ  2026年のCESで一気に存在感を増したと言われるのが「ヒューマノイドロボット」だ。シルバー、黒、白などのボディーで、サイズも多様なロボットが1フロアに集結していた。「歌う」「話す」「踊る」「カードゲームをプレイする」「人間と自撮りする」「人間と握手する」「シャドウボクシングをする」など、各ブースのヒューマノイドが巧技を披露していた。

 ミネベアミツミは、成長ドライバーとしてAIサーバーや完全自動運転などに並び、ヒューマノイドロボットを5本の柱の1つに据えている。説明員は「ロボットハンドの開発完了を機に、展示を決めた」と語る。

3.巨大ファイルの受け渡しには「転送サービス」 その考えは古い (1.21 日経XTEC)
複数の写真や動画など、100MBを超えるようなファイルを遠方の知人に送る際、かつては専用のファイル転送サービスを使うのが一般的だった。しかし、現在はWindows標準のクラウドストレージサービス「OneDrive」がその役目を代替できるため、転送サービスを利用する必要性が薄れている。

 クラウドストレージの「OneDrive」を使えば、メールでは送れないサイズの大きなファイルでも相手に渡せる。仕組みは転送サービスと同じで、サーバーにアップロードしたことを相手に通知してダウンロードしてもらう。

 OneDriveの場合、同期フォルダーで直接ファイルを操作して共有URLを発行し、それをメールで送信する。Webブラウザーでサイトを開く手間がなく操作も簡単だ。

4.苦境の国内基地局メーカー、NECと富士通の通信事業統合はあるのか(1.19 日経XTEC)
日経ビジネス堀越功  2025年に気になったのが、国内通信機器ベンダーの事業環境が急速に厳しくなってきたことです。水面下で様々な動きがありました。

 NTTドコモが国内ベンダーを主力とした基地局の調達から転換し、スウェーデン・エリクソンの基地局をエリア単位で入れるようになったことで、最終的なトリガーが引かれてしまった感があります。

日経クロステック榊原康  まさにそうですね。改めて振り返ると、NTTドコモが2024年9月の「NTT IR DAY 2024」でネットワーク装置の高性能化とコスト効率化を宣言。広く国内外の基地局ベンダーから高性能で効率の良い最新型装置を調達するとしました。当時、ドコモ関係者から聞いた話では「これからSub6(6GHz以下の周波数帯)対応の基地局を増やしていく必要があるが、国内ベンダーの基地局は古くて重く置けない。工事に手間とコストがかかるため、エリクソンの基地局に置き換えていく」とのことでした。富士通が最も大きな影響を受けたはずです。

 2025年11月にNTTの島田明社長に取材した際も、NTTドコモの通信品質問題の話から国内ベンダーの話になりました。「国内ベンダーが悪いというわけではないが、最初に入れた5Gの設備は(ネットワークの容量拡大につながる技術である)Massive MIMO(マッシブマイモ)が入っていなかった。今、人が集中する場所にはエリクソンの設備を入れている。やはりMassive MIMOはパワーがあり、そうしないと容量を処理できない。(フィンランドの)ノキアの設備も入れ始めており、初期に導入した設備の影響が全くなかったわけではない」と話していました。

 ただ2025年末に、その警鐘が現実になってしまいましたね。基地局事業へ再参入を果たしたばかりの京セラが基地局事業を断念したことが明らかになったほか、NECも基地局の機器開発を中止し、ソフトウエア分野に開発を絞り込むと日本経済新聞が報じました。2026年は引き続き、国内の通信機器産業が生き残れるのかも注目ポイントだと思います。

5.生成AIとクラウドの普及で建設ラッシュ、データセンターの業界地図 (1.19 日経XTEC)
アマゾンなどクラウド大手がAI向けで巨額投資 供給電力の確保と環境負荷軽減が世界的な課題に

 不確実性の高まる世界情勢、高市新政権への期待、労働人口の減少、AI(人工知能)のさらなる進化……どの業界に飛躍のチャンスがあり、企業はどう備えるべきなのか。幅広いシーンで活用されている『日経業界地図 2026年版』から、要注目分野の「業界地図」を紹介する。生成AIとクラウドの普及で建設ラッシュにある「データセンター」業界を見ていこう。

 データセンターは、サーバーやストレージ(記憶装置)などのIT機器を集約して効率よく運用するための施設。内部には空調や電源、運用監視などの設備も設置し、クラウドサービスの提供や企業のデータ保管、人工知能(AI)の開発など用途は幅広い。

 データセンター事業者が運営主体となり、クラウド事業者や一般企業などに貸し出して利用料を得るのが基本的なビジネスモデルだ。

 アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など米クラウド大手がAIの普及に伴うデータ処理量の急増を見越し、巨額のデータセンター投資計画を打ち出している。こうした需要の取り込みを狙って国内外で建設ラッシュが続く。通信会社やIT企業のほか、電力や不動産など異業種参入も相次ぐ。

 環境負荷の高まりも懸念されている。AIは学習や推論の際に膨大な計算を行う。国際エネルギー機関(IEA)は2030年にデータセンターの電力需要が現状比2倍以上の945テラ(テラは1兆)ワット時に達すると予測。運営事業者を中心に、温暖化ガスの排出量を抑え十分な電力を確保する工夫が始まっている。

ホームページへ