1.KDDIの大阪堺データセンター1月稼働開始
(10.28 KDDI)
KDDIは2026年1月下旬から、NVIDIA GB200 NVL72を始めとする最新世代AIサーバーを搭載した「大阪堺データセンター」(以下 本AIデータセンター)の稼働を開始します。
2025年4月に取得したシャープ堺工場跡地において、大規模な電力・冷却設備を再利用し、KDDI Telehouse渋谷データセンターで培った水冷技術の知見、KDDIが30年以上にわたり蓄積してきたデータセンター構築の知見を生かし、短期間でのデータセンター構築を可能とします。
今後は、AIの学習や推論に最適化された多様なAIサーバーを順次稼働させ、最先端のAIサービスを提供していく予定です。
本AIデータセンターは、法人のお客さまへGPUを提供するほか、Google の高性能な生成AIモデル「Gemini」のオンプレミスサービスなどパートナーとの協業を通じたAIサービス開発・提供に活用します。
建物規模 地上4階、延床面積 57,000m2、環境配慮 再生可能エネルギー由来の電力を100%利用
2.SaaS大手ラクス、「SaaSは死んだ」時代の生き残りに布石 合従連衡も(10.29 日経XTEC)
AI(人工知能)エージェントの普及をきっかけに、国内SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業者の合従連衡や再編が進みそうだ。AIエージェントがSaaSの役割を代替する「SaaS is Dead(SaaSは死んだ)」といった論調がSaaSビジネス発祥の地である米国から発信される中、業種業界を超えて利用される「ホリゾンタルSaaS」提供の国内最大手であるラクスが生き残りをかけて布石を打ち始めている。
経費精算SaaS「楽楽精算」などを開発・提供するラクスが「『SaaS is Dead』論 ラクスの答えと事業戦略」と題した説明会を2025年10月21日に開催した。「SaaS is Dead」に対する同社の見解を説明するとともに、これまでサービス名に「楽楽」を冠していなかった同社のフロントオフィス系SaaSも「楽楽クラウド」へブランドを統合すると発表した。バックオフィス系からフロントオフィス系へのサービスの拡大を見据える。
説明会で本松取締役は経費精算でのAIエージェントの利用事例を紹介しつつ、SaaSとAIエージェントが共存していく姿を説明した。AIエージェントを「自ら最適な手順を計画し、実行する自律型のシステム」、その役割を「データの収集や分析、タスクの整理など」とした。その上で、既存のSaaSにAIエージェントを埋め込み、人でしかできない法令対応や判断、承認に対して責任を取るプロセスなどを挟みながら処理を進めていく様子を示した。
SaaSとAIエージェントの関係について、本松取締役は「埋め込み型」と「ハブ型」の2つがあると説明する。埋め込み型は前述のように既存のSaaSの中にAIエージェントを内蔵するものだ。各SaaS事業者が「AIエージェント対応」とうたっている場合、この形態が多い。
もう1つのハブ型は、AIエージェントが司令塔になって複数のSaaSを横断して処理を進めていくものだ。このときSaaSはAIエージェントの「下請け」的な位置付けとなる。「SaaS」はAIエージェント用のインターフェースを備えた業務部品となり、ユーザーライセンスの考え方も変わる。現在のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)利用料のように、月額課金ではなく従量制課金となり、SaaSの収益モデルは変わると予想される。
3.国内の通信事業者8社が「避難所」支援、災害対策で連携を強化する事情
(10.31 日経XTEC)
普段は競合関係にあるNTTグループ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル。だが2024年の能登半島地震以降、被災からの早期復旧に向けた協力関係を急速に強めている。2025年10月には、避難所支援に関する連携を強化すると発表した。その背景には何があるのだろうか。
日本に住んでいる以上、地震や台風などによる大規模な自然災害を避けることはできない。その被害は、重要なインフラの1つであるモバイル通信に及ぶことも多い。災害で被災した通信設備をいかに早期復旧させるかは非常に重要だ。
とりわけそのことを示したのが、2024年の能登半島地震だ。能登半島地震では土砂崩れや家屋の倒壊、道路の崩壊などが多発した。半島という地形上、陸路でアクセスする手段が少ない。このため被災した携帯電話基地局などにたどり着くのが難しく、復旧が大きく遅れた。
そこで通信各社は、衛星通信の「Starlink」や、船舶に基地局を搭載して海から被災エリアをカバーする「船上基地局」を展開するなど、あらゆる技術リソースを使ってネットワークの復旧を図った。
もう1つ、従来とは大きく異なる取り組みが早期の復旧に奏功した。それはNTTグループ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが協力して災害復旧に当たったことだ。
例えば船上基地局においては、グループ内に船舶を持つNTTドコモとKDDIが、共同で船上基地局を展開。KDDIとソフトバンクは給油拠点を相互利用するなど、各社が持つリソースを他社にも提供した。
このことを契機に、通信事業者間の協力体制が急速に強化されている。例えば2024年12月18日、NTT、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモビジネス、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの8社が共同で、大規模災害発生時におけるネットワークの早期復旧に向けた協力体制を強化すると発表した。
8社の協力体制によって、給油拠点やStarlinkなどの設備、宿泊場所など各社が保有するリソースを相互利用する体制が整備された。さらには自社で船舶を持たないソフトバンクや楽天モバイルも、NTTやKDDIの船舶を共同利用して船上基地局を展開できるようなった。共同での訓練なども実施している。
そして2025年10月22日には新たな取り組みが発表された。避難所支援に関する連携体制の強化である。災害発生時にはネットワーク設備の復旧だけでなく、被災して避難所にいる人たちの通信を確保することも重要だ。これまでも各社は、スマートフォンの充電器やWi-Fiスポット、衛星携帯電話などを避難所に設置してきた。
例えば広域の避難所に通信サービスなどを提供する際には、携帯4社が支援するエリアを分担し、支援の重複や漏れが生じないようにする。加えて各社がWebサイトに掲載する避難所に関する内容も共通化する。どの会社のWebサイトにアクセスしても、携帯4社全ての支援内容をまとめて確認できるようにする。
4.Windows 11の進化を再確認、メンテナンスや高速化の方法が変わってきた
(10.31 日経XTEC)
Windowsがバージョンアップすると、スタートボタンの位置やアイコンのデザインといった外観上の違いに目が行きがちだ。しかし、本当の進化はOSの内部で起きている。パソコンの高速化に関しても、バージョンが更新されるごとに次々と新しい技術が投入されてきた。
そこで、OSに関して古い常識が通用しなくなったテーマを重点的に取り上げる。例えば「レジストリ」。レジストリは、アプリや周辺機器の動作に必要な情報を集めたデータベースで、肥大化するとパソコンの動作が遅くなるため、ユーザーが定期的にメンテナンスすべきだとされてきた。しかし、今は11がレジストリの管理を自動化しているのでその必要性は薄れている。
透明効果やアニメ効果など「視覚効果」の停止も同様だ。昔は視覚効果を止めればシステムへの負荷が軽減されパソコンの動作が速くなったが、現在はGPUが視覚効果を担うので、これを止めてもCPUの負荷にはほとんど影響しなくなった。
高速化に関しては、ハードウエアの進化も見逃せない。特に注目したいのがストレージ。10の時代に、読み書きが低速なHDDから高速なSSDへの移行が急速に進んだ影響で、OSの設定にある「ドライブの最適化」の意味合いなども変わってきた。
5.スイッチ部門 アクセススイッチで6年ぶり首位交代、フロアとコアでHPEが存在感(10.27 日経XTEC)
日経NETWORKは2025年6〜7月にかけ、ネットワーク機器の利用実態を調査した。LAN(Local Area Network)スイッチ、無線LAN、ルーター/UTM(Unified Threat Management)1の3部門に分け、各部門の製品ジャンルごとに回答を集計。利用するネットワーク機器のベンダー名などを尋ねた。
LANスイッチ部門は製品を3つに分類している。パソコンなどの端末を直接つなぐ「アクセススイッチ」、アクセススイッチをフロア単位などで束ねる「フロアスイッチ2」、フロアスイッチを束ねて企業ネットワークの中核を担う「コアスイッチ3」――である。
これら3つの分野のうち、アクセススイッチで首位が交代した。今回1位となったのはバッファローである。20.1%のシェアを獲得し、2019年調査以来の返り咲きとなった。
長らく首位にいたシスコシステムズは今回、シェア17.7%で2位だった。シェア14.6%で3位のアライドテレシスと、7.5%で4位のNECはそれぞれ前年の順位を維持した。
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