1.Googleが業務アプリにAIエージェント搭載、ノーコードで複雑なタスクを自動化(4.18 日経XTEC)
いよいよビジネスパーソンが業務で利用するアプリケーションでAI(人工知能)エージェントが実用段階に入りそうだ 。米Google(グーグル)のクラウド部門であるGoogle Cloudは米国時間2025年4月9日、グループウエア「Google Workspace」にAIエージェントを利用したワークフローの自動化機能を搭載すると発表した。実際にどのようなことが可能になるのか解説する。
新たなワークフロー自動化機能である「Google Workspace Flows」は、グーグルのAI「Gemini」をベースとしたAIエージェント「Gem」と連係し、Workspaceに含まれるGmailやGoogle ドキュメント、Chatなどを利用する業務プロセス全体を自動化する仕組みだ。Workspaceの新機能を優先的に試せる「アルファプログラム」に参加している顧客から利用できるようになる。当面は英語のみに対応するが、「日本語にも順次、対応していく」(Google Cloud広報)。
単純な自動化ではなく、文書の内容や文脈に沿ったアクションが最大の特徴。例えばカスタマーサポートの業務では、顧客から受信したフィードバックに関するフォームの内容をAIエージェントがレビューする。要望や問題点を理解し、関連する製品やポリシーに関するドキュメントをGoogle Driveから見つける。
その上で、AIエージェントが解決策を考え、Gmailで返信の下書きを作成する。コーディングは不要で、それぞれのフローをドラッグアンドドロップでつなぎ合わせるようにワークフローを構築できる。
グーグルによれば、ほかにも「マーケティングのコピーが自社のブランドに合っているかどうか確認する」「申請承認前にポリシーに関する文書をチェックする」「顧客からの問い合わせをスマートに振り分ける」といった内容に応じた自動化タスクに向いているという。
2.八十二銀行など地銀7行のシステム障害、サイバー攻撃ではなくIPSの設定ミスか(4.18 日経XTEC)
日本IBMは2025年4月17日、八十二銀行など少なくとも地方銀行7行で同日発生したシステム障害について、「サイバー攻撃の可能性も含めて調査をしていたが、サイバー攻撃に起因するものではないことが確認できた」と明らかにした。複数の関係者によると、IPS(不正侵入防止システム)の設定ミスが原因だった可能性が浮上している。
システム障害は日本IBMが金融機関向けに提供する「eMuSC共同センター」で発生した。同センターはインターネットバンキングの運用・管理を担う。八十二銀行など地銀7行によるシステム共同化の「じゅうだん会」のほか、同センターを利用する中国銀行や広島銀行も影響を受けたと見られる。障害時はネットバンキングにログインしづらい状態になっていたものの、現在は復旧している。
3.Wi-Fi 8と目される新規格のテーマは「超高信頼」、産業用IoTなどビジネス利用拡大へ(4.18 日経XTEC)
IEEE(米電気電子学会)傘下で無線通信規格の標準化を担う「IEEE 802.11WG(Working Group)」。その中でも注目されるのが、メインストリーム規格を検討するTG(Task Group)「TGbn」だ。TGbnでの議論は、次世代Wi-Fi規格(Wi-Fi 8)につながる可能性が高い。
TGbnの検討課題名は「Ultra High Reliability(UHR)」。日本語に訳すと「超高信頼」である。以前から検討されてきた通信の高速化に加え、低遅延や高信頼を重要な検討スコープに入れているのが特徴だ。
メインストリーム規格において初となる低遅延・高信頼の目標値を規定した。具体的には、設立趣意書の1つであるPAR(Project Authorization Request)において一定の割合での遅延を25%削減するという目標を掲げている。他にも、同一の無線LANアクセスポイント(AP)に接続する端末のグループ「BSS(Basic Service Set)」間を移行(ローミング)した際の、MACフレームのロスを25%削減することなどを目指す。
これまでは個人利用が主だったが、信頼性を強化できればビジネス利用にもユースケースを広げられる。例えばスマート農業や、産業用IoT(Industrial Internet of Things、IIoT)への活用が考えられるという。
4.トヨタや明治安田もAIエージェントで成果、成功事例から探る導入の勘所(4.17 日経XTEC)
「生成AI(人工知能)から自律AIへ」という動きが始まる中、実際のビジネス現場でAIエージェントはどう活用されているか。先進企業は、AIエージェントを活用して業務効率化や生産性向上を実現し始めている。各社はどのような業務を自動化し、どんな成果を得たのか。具体的に見ていこう。
トヨタ自動車はエンジニアの知見共有と開発スピードの向上を目的に、社内向けAIエージェントシステム「O-Beya(大部屋)」を導入した。ベテランの専門知識や過去の設計データをAIに蓄積し、いつでもアクセスできる「仮想の技術相談室」を実現した。
現在、利用しているのはパワートレーン開発部門の約800人。エンジン設計などに関する質問を入力すると、過去の設計書や最新の法規情報を横断的に検索し即座に回答する。O-Beyaには振動や燃費、規制など9つの専門AIエージェントが搭載されており、質問内容に応じて協調し、統合した回答を提供する。
5.IIJの400万超アカウントに顧客情報漏洩の可能性、メールセキュリティーサービスで(4.15 日経XTEC)
インターネットイニシアティブ(IIJ)は2025年4月15日、法人向けメールセキュリティーサービス「IIJセキュアMXサービス」で顧客情報の一部が外部に漏洩した可能性があることを発表した。漏洩した可能性がある顧客情報は最大で6493契約、メールアカウント数は407万2650件に上る。
サービス設備が2024年8月3日以降に不正なアクセスを受け、サービスを提供する設備上で不正なプログラムが実行された。情報漏洩の可能性を確認後、不正なアクセスの経路を特定して切り離し、現在は安全にサービスが利用できる状態だという。不正プログラムの詳細や、情報漏洩の可能性を確認したのが約8カ月後と遅れた原因については「調査中」(IIJ広報)とした。
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